私は当初、弟の話しか聞いてなかったので、宗教云々に関してはにわかには信じがたかった。
それほど、私の中での弟の信頼度は地に落ちていて、義妹との親交のなかで培った関係がそれより勝っていたからだ。
というのもお互い結婚前に、弟に大金を持ち逃げされた過去があった。
それで、姪を預かってしばらく経った頃、義妹に連絡してみた。
本当のところ、どうなの、と。
はじめこそ物腰柔らかに対応してくれていた義妹も、教祖様の名前を出して問い詰めると(もちろん、こちらは弟に落ち度がある体で丁寧なやり取りを心がけていた)、がらっと態度が豹変したのだ。
急に離婚に親権に慰謝料養育費の話になり、ちょっとそれ以上のやり取りは気が引けたのでやめた。
そもそもそれは私に言われても関係ないことなので。
それ以来、私は義妹と連絡を取ることはなかった。
メッセージアプリでの義妹とのやり取りを弟に見せる代わりに、私も弟と義妹とのやり取りを見せてもらったのだけど、それはもう宗教に染まっている人同士のやり取りのようだった。
波動や瞑想、勾玉代と称した布施のようなものを払っている内容だった。
第二子妊娠のことも、教祖や教団にとっては滅多に起こらない悪いことの象徴の用のように話されていて、流産したことによって世の悪いものも一緒に昇天した、いう内容のことを義妹は言っていた。
弟の話は本当で、義妹は家族よりも宗教・教祖を大切にする宗教人間であったのだ。
その後、弟夫婦は離婚調停へと突入し、姪は元々別居状態だった弟と義妹の家に一日交代で帰ることになった。