着なくなった着物、大事にしまっておいた着物。 
いつか服でも仕立てようと思って買ったままの服地。

どこのお家、特に明治・大正・昭和世代が暮らしたご家庭にはそんな布の宝物がありますね。

最近の断捨離で整理、廃棄などの処分を意識される方も多く。

物はたまりますから、処分も必要な作業ですが、しまっておいたものの中には質の良いもの、思い出深いものもあります。

断捨離のカリスマのような方でも、そうしたものは急いで処分することはなく、持ち続けて、手離すことにためらいなく、感謝の気持ちでできるようになるまで、持っていてもよい、という意見を表しています。

そのしばらく持っているのを、今再び活躍できるようにリメイク・仕立てをして楽しむこともいい方法かな。

ののくさ堂は、そうした布たちを使って、日常を少し上質な気持ちになる服づくりをしています。

今回頼まれたは、染め直しもした程気に入って着られていたという着物からパジャマの上などに羽織れるナイトガウン。ナイトガウンとしても使える部屋着羽織もの、といったところでしょうか。
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ちょっとしたコートのような形。銘仙やウール着物で仕立てても雰囲気が変わってよさそうです。

もうひとつは、紬を作務衣風の羽織ものにしました、
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ほとんどハサミを入れず、絹地一重のつくりでしたので、裾は折ってかがりました。
それでもモタモタせず、二重になった分、温かです。
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紬の一重だから、軽くて温かい。
紬の光沢ある生地、落ち着きある黒。クリスマスプレゼントに80代の俳句の先生であるご婦人に贈るそうです。

ご依頼くださった方にはご満足いただけましたから、よかったです。

かつてのお気に入りが再び現役に復帰するお手伝いができるのは、嬉しいです。

ののくさ堂は、日常着をつくるので、形も色合いも飽きないものが多いです。
魅せる装いにはならないかもしれないけれど、日々の暮らしの身近な上質をまとっている安心感みたいなものは楽しめるでしょうか。

喜んでもらえる、なにかができることが、嬉しいです。