先日、資本主義について現在の問題点を指摘しつつ肯定する本の読書記録を綴った。


今日はそれを引き続き考察したことを。


資本家と消費者の意識バランスが保たれていると、健全な成長欲求と競争が働き、経済発展につながるので、資本主義で大事なのは自由に参入、撤退、受け入れ、拒絶ができる社会環境である、と。


ふと思った。


織田信長の楽市楽座はそれだったのじゃないかな。

城下町には商人でなくても商いができたから、いろんな人が参加し、いろんなものが売られて経済発展につながった。


つまり、これを世界規模ですることが本来の資本主義なのではないか。


尾張藩の経済発展に貢献した信長の政策は研究者によれば、他のどの藩でやっても"成功"した政策になったかは疑問である、と言及していた。


時の権力者のお膝元で施行されからこそ、人々は安心して商いに精を出せたのだ。これが、いつ戦に巻き込まれるか分からない、いつどこかの支配下におかれて情勢が変わるから分からない領主の元では、おちおち品物なんぞ並べていられない。


つまり、楽市楽座のような市場で経済振興するのに庶民の感覚として必須なのは、安定した政権運営。政府が安定した政治経済環境を整え運営できてるかにかかっているのだ。


話は変わるが先日、コミュニティビジネスなどをプロデュースする友人が先進事例を見にデンマークを訪ねた話を聞いた。

向こうでは大人向けのいわゆる子ども食堂みたいな、地域の大人たちがつながりを持ちやすいように食事を一緒に食べるスペースを官民コラボビジネスで運営されているそうだ。


大人向けとあって、設えも落ち着き、センスいいカジュアルレストランのような雰囲気に長テーブルで隣同士になれば話がしやすいつくり方をしている。

食べるのに困窮して利用する、というより、レストランに行くように身なりも整え、いろんな出会いを楽しみに誘い合って来る。

そしてそこでの出会いが新たな事業が生まれるきっかけになったりする、コミュニティスペースだという。


友人は利用者と話をして、官民共同のこうした事業は、経済情勢が必ずしもいい訳ではない今の世でも、政治を信頼しているから続いているし、その政治は自分たちが選んだ政府であることの自認が大きいのを感じたそうだ。


地元の人たちからよく聞いたのは”Trust “という単語だった、と。


政府に信頼をおく。

政策に信頼を持つから、さらなる事業を展開する機運が高まる。


市井の人びとには、信頼できる社会環境というのが、一番のモチベーションなのだと思う。


日本はどうか。

世界はどうか。


競争、成長発展を不安感、危機感や希少性でゆさぶるやり方は本来の資本主義のやり方の対にある。


安定した政権運営、楽市楽座のような規制緩和、それから社会倫理の教育、その土台ができたときに、自由な資本主義社会ができるのだろう。


楽市楽座ができた日本なのだから、やれると思う。