中村ワールド全開!?といった感じの、物語?というよりは、

現代社会の矛盾を、彼独特の切り口で作り上げられた世界の、かなり思想?示唆?に満ちた作品でした。

まー、読んでよかった!?というような読後感のいい作品では決してありませんが、こういった社会の風潮?人間の性質?というものを、なるほど上手く、おかしく?、独特の物語として表現されていることに、作家としての社会的に示唆すべき何か、役割、使命感のようなものを感じずにはいられませんでした。

とはいえ、たまには、こういう作品もいいかな?と思えるほどの、堅苦しさ重苦しさがないところも、中村さんの上手さだと思っています。

感謝音譜


記録として、以下にAmazonさんの内容紹介を転載させて頂きます。


だれも列からは逃れられない――。『銃』や『掏摸』『教団X』につらなる……中村文則の最高傑作誕生!

「君だって、列に並びたいから、並んでたんだろ?」

ある動物の研究者である「私」はいつのまにか「列」に並んでいた――。

先が見えず、最後尾も見えない。だれもが互いを疑い、時に軽蔑し、羨んでいる。

この現実に生きる私達に救いは訪れるのだろうか。

「あらゆるところに、ただ列が溢れているだけだ。何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の、競争や比較が始まることになる。私達はそうやって、互いを常に苦しめ続ける」(本文より)