それほどボリュームはないのに、内容は盛りだくさんで、こういう話かと思えば、また違う流れの話が出てきて、さらに進むとまた新たな話が展開しそうになったりと、2時間ドラマ?といようよりは、良くも悪くも⁈連続ドラマのような感じの印象でした。

ま、でも飽きさせない、という点では満足でしたし、亮介が起こした事件についても、決して思いもよらないまさかの真実が隠されていましたので、十分楽しめた作品だったと思いますが、

できれば、多少、盛り込みすぎのところを、整理して、もう少し真相への話の流れをよくすれば、さらにドラマチックな結末の余韻があったのではないかなーと思いました。

とは言え、楽しませてくれた本作に感謝です音譜


記録のため 以下に Amazon さん の内容紹介を転載させていただきます。


弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るい亮介と交流することで人として成長していく。
だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、自身の出生に関わる衝撃の秘密を知る。二人は全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのか――。
著者史上もっともハートフルな物語が誕生。最後に芽生える真の友情に、あたたかい涙が止まらない!

最近、小説を読み始めても自分の中で馴染めず、その世界観に入ることができないまま脱落、全くと言っていいほど最後まで読めなくなってしまい、もう小説はだめなのかなぁと、あきらめかけていた時、この本に出会いました。

そうでした、やっぱり、こういう時こそ、今まで何度も、小説っていいなとしみじみ思わせてくれた歴史小説を読むべきだったと、今さらながらに思いました。

さて、私の読書スランプから救ってくれた本作は、侯爵である夫の鍋島直大とともに、不平等条約改正のために、鹿鳴館外交で、鹿鳴館の花、と讃えられた鍋島榮子の物語です。

ても、タイトルから想像した当初の予想とは違い、読み進めると、華やかなりし鹿鳴館の花、の鍋島榮子の話ではなく、日本赤十字創設期に尽力した日本のナイチンゲールの物語なのでした。

彼女の行動力、そして、まさにノブレスオブリージュを夫婦で全うした生涯、さらにはかつて朝敵として攻めざるをえなかった会津への想いと成し遂げた悲願。

最後まで話すところなく 堪能することができました。久しぶりに日本人としての誇り、人間として、こうありたい 近づきたいと実感した素晴らしい歴史小説でした。

やはり これからも歴史小説を始め、人を知るため 世界を知るため自分の心を知るため、小説を読み続けていきたいと思います。

このような気持ちにさせてくれた本作に感謝音譜


記録のため いかに楽天 さんの内容紹介を転載させていただきます。


内容紹介(「BOOK」データベースより)

明治初期、近代国家としてスタートしたばかりで、東洋の小国に過ぎなかった日本にとって、国際的地位の向上は急務だった。公家の娘として生まれた榮子は、岩倉具視の長男に嫁ぐものの、若くして死別。最後の佐賀藩主で侯爵、外交官だった鍋島直大と再婚し、「鹿鳴館の花」と讃えられるほど、外交面で活躍する。しかし、鹿鳴館外交は条約改正に至らず、榮子は自分の役目を模索しはじめー。“日本のナイチンゲール”と呼ばれ、赤十字活動を支えた侯爵夫人、鍋島榮子。その気高く、美しき生涯ー。鹿鳴館の花と讃えられながらも、幾多の困難を乗り越え、看護の現場に参加し、ノブレス・オブリージュを全うした貴婦人を描く傑作歴史小説。

著者情報(「BOOK」データベースより)

植松三十里(ウエマツミドリ)
静岡市出身。東京女子大学史学科卒業。出版社勤務、7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、作家に。2003年に『桑港にて』で歴史文学賞、09年に『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題)で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あのゴールドマンの内情が赤裸々に描かれている本作。パワハラ、セクハラ、モラハラは当たり前、顧客に対する考え方、社員に対する考え方も予想していた通り、いわゆる強欲集団であるという意味では、想像の範囲内でしたが、
それでも、そんな世界最高峰の投資会社で働く人の心の内や葛藤、本音、違う意味でのゴールドマンらしい人種というべき人達の存在、人事、昇進の仕組み、タスク等々が垣間見れて、想像以上にエキサイティングな作品だったと思います。
彼女にコーチングしてもらうのは、とても無理だとしても、講演があったら、是非とも拝聴してみたいと思いました。
ただ、そうですねー、ここまで詳細に書いて大丈夫?とまで思った不貞?ロマンス?については、
やっぱり家庭を取ったかー、とゴールドマンらしからぬ⁈無難な選択に、ちょっとつまらなくも感じてしまいました。
まー、これは小説でも、ウォール街を舞台にした映画でもないので、面白いとか、ドラマチックである必要はないので、当たり前なんですけどね。

はい、ということで、私の大好きな職業モノのノンフィクションで、しかも、生まれ変わっても決して経験することがない?できないだろう、特殊な世界の、とびきり優秀だけど狂った人たちの世界を余す所なく魅せてくれた本作に感謝音譜

記録のため、以下にAmazonさんの内容紹介を転載いたします。

発売から5日で即3刷!
GS元社員がウォール街の内幕を綴る、いま最もホットな金融ノンフィクション。
世界トップクラスの地位と報酬が約束されたゴールドマン・サックス。
だがその実態は、金と女性に対するおそるべき強欲、嫉妬にまみれた職場だった――。

同社の元マネージング・ディレクター(上位8%の幹部職)の女性が1998~2016年の在職期間に目撃した、ミソジニー(女性嫌悪)と人種差別にあふれる、堕ちた企業風土を明らかにする衝撃の暴露本。
著者は巨額の退職金を捨てて、秘密保持契約書(NDA)へのサインを拒否。同社の内幕を告発する道を選んだ。

彼女の回顧録を読み進めるうちに明らかになる、金融資本主義の欺瞞と、その背後にある差別的な思考とは?

◇目次◇
序章  辞められるのは一度きり(2016年)
第1章  ゴールドマン・サックスへようこそ(1998年7月)
第2章  ”選ばれし人々” 
第3章  ふたつのパーティ
第4章  1セント硬貨
第5章  祖父と祖母
第6章  灰色の世界(2001年9月)
第7章  カウントダウン(2006年)
第8章  マイクのカルチャー
第9章  ウォール街の失墜(2008年)
第10章 昇格試験
第11章 ダンとリッチ(2012年)
第12章 何者でもない私
第13章 結論
第14章 自由のためのスプレッドシート
第15章 小旅行
第16章 祭壇
第17章 検査結果
第18章 職場復帰のためのハンドブック(2015年8月)
第19章 ピート(2016年)
第20章 ママの日記
エピローグ

◇著者プロフィール◇
ジェイミー・フィオーレ・ヒギンズ
ゴールドマン・サックスの元マネージング・ディレクター。同社でこの役職に就けるのはトップの8パーセントのみ。ジェイミーはそのひとりであり、所属部署では最も職位の高い女性だった。多額の資本金を有し、株式の時価総額が1000億ドルを超える大企業を顧客にもつかたわら、新入社員の研修、インターンシップ・プログラム、採用活動にも携わった。現在はコーチングのプロとして、10代の子や大学生にリーダーシップ・スキルを教えたり、従業員を率いる方法を役員にコーチしたりしている。ニュージャージー州で、夫と4人の子どもと暮らしている。