重松さんらしい?、といってもさほど読んでいるわけでもないのですが、それでもイメージどおりの?優しく温かいファンタジちっく?な作品てした。
人生の最期にみる走馬灯を描くお手伝いをする、という独創的な設定は流石だと思いましたが、それこそ最期の最期、あと一瞬で無になるのに、いまさら走馬灯を調整して何になるのー?!って、現実的になってしまうと、物語に置いていかれそうなので、なるべく現実逃避しながら?!読ませて痛みました。
でも、やはりふうちゃんこと、はるかとお母さんの再会シーンには、掛け値無しで泣かされました。
そう、物語この設定いいとは思うのですが、ちょっと、葛城との出会いとなった走馬灯の旅をする親子の話が長すぎる?というか、全体に占める割合が多過ぎたのが残念だった気もします。もっとはるかのこと、ナンユウ家族のことが多い方がよかったかな、と。
というのはおいておいて、気になった言葉がありました。それは
楽しい思い出がいまの自分を苦しめることもあるということなのですが、ん〜、言ってる意味はわかる気がしますが、いえ、わかるからこそ、楽しい思い出に苦しめられないこれからをいきていきたいな、とおもいました。
何はともあれ、親子愛の深さに涙した作品でした。
感謝
私を捨てた“お母さん”の走馬灯には、何が映っているのだろう
人生の思い出をめぐる、謎めいた旅行会社に誘われた16歳の少女のひと夏の物語。小川春香、16歳。3歳で母に捨てられた彼女は、育ての親である祖母も亡くし、正真正銘のひとりぼっちだ。そんな彼女が出会ったのが走馬灯を描く旅をアテンドする〈ブレーメン・ツアーズ〉。お調子者の幼馴染、ナンユウととも手伝うことに。認知症を患った老婦人が、息子に絶対に言えなかった秘密。ナンユウの父が秘めていた、早世した息子への思い。様々な思い出を見た彼女は。人の記憶の奥深さを知る。そんな折、顔も覚えていない母から「会いたい」と連絡が来るのだが……。
私たちの仕事は走馬灯の絵を描くことだ。
それは、人生の最後に感じるなつかしさを決めるということでもある。