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Peace Study Notes

一筆書きでつづる素晴らしき世界のスケッチブック


 ♪Today's Music 『Chocolate Milk / Time Machine 』
   イギリスでは人気があるらしい ニューオリンズのファンクバンド 
   泥臭さと洗練が マーブルチョコのように奇跡的にブレンドされた音
   そういえば 今日はもてないBoyzにとって 年に一度の憂うつな日
   けだるくヒップな メロウ・アフタヌーンのお供にゼヒ♫


ぼくはトートバッグ準備して寝ます おやすみ…zzz(涙)


みんな誰しも 心の中に “欲しいものリスト” があるんじゃないかな?
中には ちゃんと紙に“TO DO リスト”的に書き出してる デキる人もいるだろう

予算や時間 さまざまな制約の中で ベスト・チョイスをするのは至難のワザだ…!
何本も無軌道に弧を描く波形と 自身のバイオリズムが交差する ほんの一瞬の接点
慎重かつ大胆に その閃光をとらえていく
そんな一見地味な繰り返しが いつか まだ見ぬ風景を連れてきてくれる気がする


そういえば 先日 息子のプール教室に行った際
ごく自然に 「雪岱の線と余白」 という言葉が脳裏に浮かんできた

芸術家の小村雪岱(こむら せったい)のことなんやけど
数カ月前 近所の古本屋をパトロール中に
輸送用のダンボールに包まれた高そうな画集が
人知れず店の隅に佇んでいたのを 無意識に覚えていたんだろう

「線と余白」という言葉を舌で転がしているうちに
「これは今買うしかない!」という 使命にも似た 猛烈な衝動が脳天を駆けあがってきた

ただし 中身も確認してから 1万円以内であれば即購入と決心し
ろうきんに諭吉を迎えに行った


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いざ本日のステージ 吹田・甲子堂書店へと!
文学・芸術系と 古今東西エロスな品揃えに こだわりを感じる古本屋だ

おぉ あるある…! 数カ月前とまったく同じ体勢で
榊莫山先生の作品集などとともにビニール紐に結わえられたままだ
売る気がまったく感じられないのは
もしかして 買い取ってそのままの状態なのだろうか?

とにかく緊張しながらも聞いてみた
 「これ 中見てみたいんですけど…」
 「はい コムラセッタイですね」
雪岱をセッタイと読めるだけの価値認識がある返事に 少し汗がにじむ

中身を確認し 正に今 “ジャスト” な素晴らしさに感動しながら
定価を確認する 2万円である 値札はついていない
深呼吸し 恐る恐る聞いてみた

 「これ いくらですか…?」

 「あ ヨンガケですね~」

 「8万円…!」 と冷静を装いつつ 思わず声が出てしまった

 (心の声)「うっ ヨンガケ!? 2万円×4=8万円…! ムリムリ…
  世界的に再評価されてるししゃあないわ 東京・神田やったら買う人おるんやろなぁ…」

一瞬時間がスローモーションになり 天を仰ぎかけたとき

 「定価2万のヨンガケなんで 8千円ですね」 と無表情なレスが

 「これ買います」

歓喜の声を抑えながらクールに即答

予算1万円以内で納まったことに懐が大きくなり
先ほどチェックしてた 栃折久美子さんとピカソの本 合計2,700円もレジへと

大満足で10,700円を払うつもりでいると
店主は 「1万円でいいです」 とのこと
なんという 嬉しいドンブリ勘定… 最高だ!

まぁ 古本屋における1万円の売上げは めったにないスマッシュヒットなんだろう

 「店主の 今晩の夕食のおかずのグレードが少しは上がったかなぁ?」
なんて 自分が幸せを運ぶ天使になったかのような
アルカイック・スマイルを浮かべてみたり

「ヨンガケは 4掛けのことである」
体を張って得た このアフォリズムにも似た アホリズムは
しかし 我が家系には 特別なダイヤの輝きをともない 語り継がれることだろう
いくつになっても 学びは止められそうにない


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■小村雪岱画集   渡辺圭二解説  国書刊行会 1987年
            (1943年初版 高見澤木版社の復刻版)

  昨日命日だった ジェイ・ディーのビートに通じる
  抜きの美学・斬新な構図が光る モダン浮世絵・版画集
  意図的に表現された闇=死のイメージが
  悠久の煌きをあぶりだす Reflection Eternalな一冊
  古書相場がもっと安かったらショックやなぁと思い
  後日 恐る恐る 慣れないネットで調べてみたら なんと数万円やったで♫

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■栃折久美子 / 手製本を楽しむ
  ルリユール(製本工芸)作家による 製本の楽しみを
  ぼくたちに惜しみなく教えてくれる嬉しい本だ
  彼女は 哲学者 森有正さんの秘書だったことで知られる才女である
  これも相場は4~5千円みたいやね♬

■ピカソ「愛とエロチシズム」 ピエロ・クロムランク版画コレクション図録

A769キッチン で 古くからの友人に再会したような

あたたかい感情に包まれたその足で

大阪城の近所にある 大阪歴史博物館に向かった


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お目当ては 1月7日~2月29日までやってる


「柳 宗悦 展 -暮らしへの眼差し-」だ


没後50年・日本民藝館開館75周年企画とのこと


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東京・駒場の日本民藝館所蔵品の Best of Best な趣きやね!


あらためて 柳宗悦さんを俯瞰してみると

たぐいまれなる “理論と実践” の人だったことがわかる


「日常生活のなかでの抵抗の論理を作り上げる運動」

としてのカルチュラル・スタディーズにとって

心と身体をはって 極上のテクストを残してくれたことに 深い尊敬と愛情を捧げたい


人知れず全国に散らばる 木喰佛を探すべく 残された木喰上人の日記を追って

ほこりと泥にまみれて 山に分け入っていく 哲学者が他にいるだろうか?

その息吹を感じとるためだけでも 充分鑑賞する価値があるだろう


不思議と宗悦さんは とっくにこの世を去っているハズやのに

研ぎ澄まされた眼力で選ばれた工芸品の数々から

確かな存在感を感じるんよね 厳しくも優しいオーラに包まれてるというか



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盟友 濱田庄司さんは著作 『無盡藏(むじんぞう)』 の中で

“柳宗悦の「眼」” として 次の言葉で綴っている

市井の人にさえ無心するさまは 相当に痛快でファンキーなエピソードだ


   旅をして、どんな風物の細部でも見逃さなかった柳は、東北の市で老人の着ていたケラや、

   山陰のバスで乗合わせた老婆の絣の前掛を懇望して分けて貰った。

   雑誌「工藝」の口絵の新鮮さは、毎号皆で待ちかねて眼と心の拠りどころにした。

   柳は旧いものも新しいものも、今までになかった角度から切り返して、

   特別の新しさで美しさを見せた。柳の見方に決して二番煎じはなかった。

   土も糸も木も金も、形の材料を持たずに眼だけで大した工藝を創作した。


また 同じく盟友 河井寛次郎さんの著作 『火の誓い』中の一篇では

陶芸家ならではの 本質を突いた端的な表現に膝を打つ思いだ


  柳(宗悦)にささぐ


   みにくいもの見えないめくら

   美しいものしか見えない眼


   人に灯ともす人

   人の灯明に灯をともす人


   道を歩かない人

   歩いたあとが道になる人



「千利休」から 柳宗悦さんを経由して 「藤原ヒロシ」まで綿々と連なる “見立て” の精神と

ゲームの神様・横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」こそ

我々日本人にとって 最小にして最大の武器であることに

おエラい方々は 一刻も早く気付くべきなんだ



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そうそう 宗悦さんの長男・宗理さんのプロダクツも展示されてたよ


ぼくんちの バタフライスツール(1956年デザイン!)は

結婚一年目のぼくの誕生日プレゼントに 奥さんから贈られたもの

失業保険から大枚をはたいてくれた気持ちがすごく嬉しかった

カラシ色の座布団は 何と奥さんの手作りである

オリジナルを買うと高いので インテリアショップで寸法だけ計り チクチク縫ってくれたんだ


今も昔も 毎朝 玄関で革靴を履くための専用イスとして 唯一無二の活躍を魅せてくれている


そんな ねぼけ眼に 活を入れてくれる 大切な同居人

ぼくの朝は バタフライスツールで始まる