ZX-12R ちょっとしたオイル滲みから~エンジンOH!?~その1 | RS-M とあるバイク屋の日常

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これまた、難儀。

 

お題はこちら。

 

何かの1200cc相当なエンジン単体でゴザイマス。

 

 

バランサーシャフトからオイル滲み。

 

そのOリングは~

 

腰下パッカンしないと交換出来ないという恐ろしさΣ(゚Д゚)

 

 

なのでこれを機にフルOHの単体でのご依頼です。

 

 

モーターユニット系なら~

 

いつもの「あれ」口調で行こうじゃないか。

 

 

くっくっく。

 

俺にエンジンを組ませる?

 

まずは1000万だ。

 

 

 

マグネシウム合金のヘッドカバーを取る。

 

ラダーカムホルダーが当然の様に顔を出す。

 

10000rpmも回るエンジンだ、当然な事だろう。

 

 

 

バルブクリアランスを測定。

 

大きなズレは無かった。

 

 

 

サイドカムでもここまで回せるのは技術か。

 

それとも設計上の「指向」か。

 

 

 

カムシャフト摘出。

 

IN300、EX294のA型。オーバーラップ91度。

 

乗用では絶対ありえない数値だ。

 

それをアイドリングさせ市販化させてしまうのは

 

漢のメーカーと言う所か。

 

 

回るエンジンで有名なS2000 F20型も

 

ハイレンジ部分は似たような角度だが

 

バリアブルカムにして乗用を可能にしている。

 

いや、そうしなければアイドリングもままならない。

 

その為にウェイト(フライホイール)を課すか?

 

くっくっく、本末転倒だ。

 

 

最近では二輪でもバリアブル機構が備わってきている。

 

恐ろしい時代だ。

 

 

 

ヘッドはエンジンテーブルに。

 

 

10万キロオーバーのヘッド。

 

カーボン付きの具合はオイル下がりだろう。

 

 

ピストントップ。

 

この走行距離なら上等と言える。

 

圧縮比12.2だが、それはまた調整が必要だ。

 

 

 

シリンダーを抜く。

 

オイル上がりの形跡はなく、状態はいい。

 

オーナーのオイル管理がこう言う所に出てくるものだ。

 

 

 

腰下。

 

クランクケースと呼ぶかミッションケースと呼ぶか。

 

 

ここまでしても「重さ」があるのは

 

先ほどのアイドリングさせる上で

 

クランクマス確保せいなのだろう。

 

 

ヘッドを進めよう。

 

 

バルブを抜いていく。

 

 

綺麗なものだ。

 

異常がないエンジンであれば、バルブ汚れはこの程度が一般的。

 

 

ヘッド。

 

2次エアがカーボンで詰まっている。

 

高負荷時に黒煙が出るというのも頷ける。

 

 

 

清掃。

 

OHの一番の作業はいつでも「清掃」と言う事だ。

 

それを言うなら「工場」内も清掃をした方が良いだろう←

 

 

カーボン汚れと汗まみれになって行っていく。

 

 

 

ポート清掃。

 

ススだらけな排気側も肌が見えるまで行う。

 

 

清掃が終わり次第、

 

 

綿密な打ち合わせを行い、面研等を依頼する。

 

信頼できる加工屋がいることで、我々の仕事は成立する。

 

 

~当ブログをご覧の皆様へ~
作業に関しまして、画像では判断できない加工・脱着等、必要な場合があります。
その行程はブログの性質上、省いている事をご理解下さい。

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