GSX1300R ハヤブサ 定期点検からの~腰上OH♪~その3 | RS-M とあるバイク屋の日常

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同じことを、考えていては駄目だ。
 
 
前回はこちら↓

 

 
 
ヘッドが終わったまで。
 
 
 
次はピストン、シリンダー点検へ。
 
 
 
 
 
うっすら載ったカーボン。
 
この程度なら「上等」と言うべきだ。
 
 
NAハイパワーユニットでは全域をケアできる事は無い。
 
低回転域ではネガな高圧縮、カムハイト、オーバーラップ。。。
 
 
それをどう、誤魔化すか。いや言葉が悪かった。
 
 
どう、フラットに見せるか。
 
 
吸入口からマニホールド間で「適切」な容量を確保する。
 
エンジンルームにスペースがあり、設定がフレキシブルなら
 
チャンバーボックスを設置するのが効果的だ。
 
また、このボックスは吸入音を緩和する作用もある為
乗用には更に適している。
 
 
が、二輪の場合はスペース上、圧倒的に自由度がない。
 
 
その為、ハヤブサの様にタンク下に大きなエアボックスを設置し
 
ラムエアの導入も比較的簡単に設定出来る手法が一般的になっている。
 
 
 
カワサキでZX12Rという車両がある。
 
 
これは燃料タンクがライダー真下まで来ている。
 
むしろ、通常に位置されるタンクはタンクカバーと言ってもいい。
 
そして
そのタンクと思われる位置には同様にエアボックスが備わっている。
 
しかし、12Rのそれはフレームとして存在している。
 
いや
フレーム内がエアボックスになっている。が、正しい表現だろう。
 
 
 
強靭な車体剛性を出す為に設計し
エアボックスの設定を忘れてしまったのか?
 
 
エンジン搭載位置、重量配分。その適正化の為の苦肉の策か?
 
 
 
否。
 
 
 
 
 
 
戦時
圧倒的情報不足の中、液冷倒立V12にチャレンジした企業だ。
(画像は海軍発注の愛知航空機アツタ31型エンジン。川崎は陸軍発注)
 
 
チャレンジには二種類ある。
 
 
一か八かで勝負する。
 
この上ない、理論で勝負する。
 
 
ラムエアを「国内的」に広めたのはカワサキと私は思っている。
 
そのチャレンジで
300kアタック、ハイパワーユニット、想像以上の走行圧量。。。
 
 
 
―――プラスチックボックスでは持たない―――
 
 
 
当時、そう考えても不思議ではない。
 
その為の、フレーム一体ボックスなのではないだろうか。
 
 
 
この上ない、理論で勝負する。
 
 
 
 
 
 
チェーンスライダーはこれを機に交換。
 
 
 
 
 
 
スズキ最強、メッキシリンダー。
 
この走行距離、使用状況でも何の問題もなかった。
 
 
 
 
 
 
清掃、リング交換。
 
 
オイルリングの組み込み不良により、ブローしてしまった話を聞き
 
改めて慎重に組んでいく。
 
 
 
 
 
 
 
無理なく、シリンダーを収めていく。
 
 
 
 
美しいピストントップ。
 
 
 
 
 
 
ヘッドをセット。
 
タペットクリアランスの確認。
 
 
 
 
インジェクション車にはイリジウムをお勧めする。
 
イリジウムは適正な管理の元
最高のパフォーマンスを発揮するからだ。
 
 
 
 
 
 
ウォーターホース交換。
 
ゴム類の劣化は「目に見える」だけではない。
 
 
 
 
W701、完成。
 
 

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