パワーハラスメント(この後、パワハラと呼びます。)
と言えば、1月30日に初めて厚生労働省が定義を公表しました。
法律でも規定されてなく、あまり明確でなかったパワハラ。
しかし、ここにきてメンタルヘルス問題や人権問題と関連して、
問題視されているパワハラ。
本当にひどい、悪質ないじめ・嫌がらせだけでなく、
熱血上司によるいきすぎた指導によって、部下のパフォーマンスが低下したり、
心理的に不全に陥ったりと、
会社にとっては決してだまってみているだけではいられない状態にもなってきています。
1月30日の厚生労働省による定義では、
パワハラは決して上司から部下にたいするものだけでなく、
部下から上司もあり、同僚から同僚もあるとされました。
行きすぎた指導って何かといわれると、
難しいところですが、適正な範囲を超えて・・・と定義されています。
それって、建設現場と研究所では異なるんでしょうね。
ま、環境によってかなり違ってくるものです。
さて、先日のパワハラ防止研修で最後に質問がありました。
「パワハラは弱者を保護するものですよね。
そうなると管理職としてはどうやって注意・叱責をすればいいのかわからなくなる。
どのようにコミュニケーションをとったらいいのでしょうか?」
とっても難しい質問ですが、
まず、言えることは、
パワハラは弱者を保護するものではないということです。
強者と弱者という考え方時点で、パワハラを防止することはとても難しく、
単なる立場の違う同じ人間が仕事の上で、
どう上手くコミュニケーションをとるかという観点で観ることが重要です。
上司は部下にたいしてわかりやすく説明をすること、
叱責をするにしても、事柄を叱っても、人柄は叱らないこと。
部下は上司にたいして、おかしいなと思えば、ちゃんと言葉をつかって、
相手が受け止めるようにそれを伝える努力をしなくてはなりません。
かつての時代であれば、男同士、同じ価値観同士で仕事をしていればよかった。
しかし、そこに性別の違い、世代の違い、国籍の違い、価値観の違いなど、
ある種、異文化コミュニケーションになってきたのです。
そこには弱者とか強者ということではなく、
違いのある人同士、ということです。
あ・うんの呼吸で通じた世界から、
ちゃんと言語情報を使わないと通じない世界、
しかも、言語情報をきちんと使うだけでなく、
心の中身が表情や動きに現れる非言語情報を読み取る力、
そして、非言語情報を活用した表現が重要になってくるでしょう。
これからのマネジメントに必要な能力のひとつに、
非言語コミュニケーション力があるということです。
非言語情報セクハラバージョン例(付録のつもり)
昔は平気で社内で鼻ほじや、耳ほじしてた上司の方々!
部下たちは・・・とくに女性部下たちはそれを傍からじ~っと見つめ、
もしその後に
「おい、○○くん! この間の案件どうなった!?」
などと聞かれなどしたら、どうしようとドキドキしていることでしょう。
そして、不幸にも呼ばれてしまったら、
まずは上司の話していること(言語情報)など耳に入らず、
さっき鼻ほじってた指で書類や自分の肩などをさわられやしないか(非言語情報)などと
ヒヤヒヤしているということを肝に銘じていてほしいものです。