最近のスーツはクラシコブームもあって、細身のラインが主流です。
とはいっても20代の若い男性たちがよく身につけているキュウキュウのラインでは
そこそこの大人の風格ある男性には合いません。
きれいにからだのラインに合っていること。
それが基本です。
さてさて、私がお勧めしたい大人の紳士のためのスーツはやはりスリーピースです。
ダブル・ブレステッドスーツのように厳つさはなく、とても品格を感じさせ、
穏やかな大人の優しさも漂わせるからです。![]()
つい先週、伊勢丹メンズ館でコーディネイトさせていただいた紳士。
53歳としては若く見える方。
風格を出したいからといって、ダブルのスーツでは細身の体には不向きです。
そこで無地の濃紺のスリーピースをセレクトしました。
シャツはクレリックの紫のストライプ柄を選び、
ネクタイは紫と青の混じった細かい小紋柄。
そして、チーフは紫と黒の細かい柄のものを添えて。
う~ん、我ながら素晴らしい!
スリーピースの使えるところはジャケットを脱いでもステキなことです。
つまり、ベストにはアウターとインナーの両方の役割があるのです。
ワイシャツはこれはもともと下着ですから、人前ではは脱いではいけません。
でも、ベストは大丈夫!
そして、それをアウターとしてきたときの後ろ姿がたまらないのですよ~。![]()
背の部分の裏地の光沢によってなんとも言えない男のセクシーさを感じるのは私だけでしょうか![]()
さて、もともとはスリーピースがシングル・ブレステッドの正しい姿であり、
ラウンジ・スーツとしての思想が盛り込まれているのです。
ラウンジ・スーツとはその名の通り、話し合いの場、つまりオフィシャルな場における正統な装いという意味です。
ちなみに、落合正勝氏の書かれた『ファッションは政治である』から引用した1節をご紹介します。
「1649年チャールズ1世が処刑され、その11年後ヨーロッパ諸国に亡命していたチャールズ2世が王政復古のために英国に帰国した際、当時流行していたフランスのジレ(チョッキまたはベストのこと。ウエストコートと呼ばれた)を身につけ、その後英国で3つ揃いが流行した」
てなことで、その後スリーピースはどんなオフィシャルな場に身につけても恥ずかしくない正統派スーツになったのです。
明治、大正、昭和初期の日本の偉人のスリーピース姿の写真が多く残されています。
それがとてもステキに見えるのです。
なぜか?
この重ね着こそ着物と相通ずるものであり、
背がそれほど高くない、
華奢な日本人でも品格ある印象に見せる最高のスーツだと私は思うのです。
日本男児よ! スーリーピースを着よう!!!