父の生徒だった薬剤師の先生が帰国したというので父の近況を伝えるべく電話した。
やはり医者という立場からなのだろうか、普通の人とはまったくリアクションが違う。
「良くなると良いですね」とか「お大事に」的な台詞は一切言わない。
良くなるわけはないのを充分に知ってるから言えないんだろう。
そういう台詞が聞きたいわけじゃないし。
近く大阪にいらしゃるそうだが、
「(大阪戻ったら)お父さんの具合が良ければお見舞い伺います」との事。
「大阪戻ったらお見舞い伺います」ではなく。
ここも普通の人のリアクションとは違うな、と感じた。
医者だけに状態が良くない父と会うのはなおさら辛いんだろうと思う。
彼からこんな話を聞いた。
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本人が苦しんでるなら尊厳死という選択もあります。
アメリカでは認められてる州も結構あるし、
日本も暗黙の了解で当たり前のように全国でやっています。
医者の隠語で『フルコース』という言葉があります。
これは徹底的に心臓が止まるまで脳が死のうが何が起ころうが生かしつづける方法で
フルコースを希望する家族もいれば、
「この辺りまででこれ以上はもう何もしなくて良いです」って言う家族もいます。
(だいたいこんな感じの話)
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『フルコース』
フレンチじゃなくてこんな隠語があるって知ってました?
非常に穏やかでない響きなんで、だから隠語なんでしょうけど…
……まぁ兎に角、仕方ないけど安心できるような言葉は何一つ聞けなかった。

