たっくんが ハワイへ旅立つ時、
私はこう言った。
「ママには お土産はいらないからね!
その代わり、写真をいっぱい撮ってきて!
たっくんが 楽しかった思い出をいっぱい見たいから
」
ハワイから 帰った たっくんは
これでもかと言わんばかりに
様々なハワイの風景、
ステイ先のファミリー
学校のみんな
街で友達になった人たち
フラダンスを踊るお姉さん方
などなど
たくさんの思い出の写真を見せてくれた。
写真の中で
楽しそうに笑う たっくんの顔が
たくさん見れて
私は とても幸せだった。
チュン君が東南アジアに旅立つ時、
私はこう言った。
「ママには お土産はいらないからね!
その代わり、写真をいっぱい撮ってきて!
チュン君が 楽しかった思い出をいっぱい見たいから」
帰ってきた チュン君のカメラには
これでもかと言わんばかりに
様々なアジアの景色や
巨大なクモの写真や
巨大なアリの写真や
巨大な… 
ってあんた!
ほとんど 全て
気持ち悪い 虫の写真やん!!
全然 人が居ないやんけ~!!
ありえない程 巨大な虫の写真を見て
私は 気分が最悪になった。
チュン君の描く絵には 人が殆ど登場しない。
登場したとしても 棒人間だ
チュン君の写す写真には
人物が殆ど登場しない。
たまに登場する人は
よっぽど大好きな人か
通りすがりの赤の他人
チュン君の映すムービーにも
殆ど人は登場しない
登場したとしても
無理やり映った私の顔か
通りすがりの赤の他人。
旅先の土地の
素晴らしいプロモーションビデオだったりするけど
思い出のホームビデオとは呼び辛い
チュン いわく
「人間は 美しくない
」
いや…
思い出くらい
いいでしょう?![]()