薬を飲み始めて、すっかり元気になり、まあまあ普通に暮らしていますが。

こんなハネムーン期は長く続かないらしい、と考えると不安な気持ちになります。

ハネムーン期は「誰が治療をしても患者が満足できる治療効果が得られる」時期だそうですが、「実はその時期にこそ神経細胞の変性・脱落が指数関数的に急速に進んでいる」ことがわかっています。

 

L-ドパは半減期がかなり短い薬です。

でも初期の頃は、自前の神経細胞に頑張れる力が残っているので、L-ドパを備蓄、リサイクルして使いまわして、1日中効果を保つことができます。これがハネムーン期です。

しかし、神経細胞の変性・脱落が進行すると、L-ドパを飲んだ時は効果がでるけれども、時間がたつとすぐ効果がなくなってしまう、という状態になります。

 

L-ドパは半減期が短いゆえに、飲めば血中濃度が上がり、時間がたつと下がり、という状況を、日々繰り返すことになります。

この血中濃度の変化という脳への刺激が、やがて運動合併症を誘発すると考えられています。

とはいっても、L-ドパを飲まないわけにはいきません。ではどうしたら?

 

そこで提唱されているのが、CDS(continuous dopaminergic stimulation)ドパミン受容体への持続的刺激という考え方です。

L-ドパに頼りすぎず、いろいろな薬を併用して全体の底上げをはかることで、リスクを下げることができます。

一日中一定の濃度を保つことができる、1日1回服用の薬やテープは、そのために有用なのだそうです。

そして、新しい薬の開発が進んでいます。

 

そういえば、私の医者も、新しい薬を提案するたび、底上げと言っています。

今L-ドパが良く効いているとしても、先のことを考えると、いろいろな薬を併用して全体の底上げをはかりたい、という意図なのだと思います。

 

でも実際飲んでみると、かつて薬で経験したことがない位の不具合が起こったりして、一筋縄ではいかないのです。

脳に作用する薬だからでしょうか。

適切な服薬を続けていれば普通に生活できる。って文字で書いたら、さらっと読んでおしまいだけど、その背景には薬の調整というすごい試行錯誤があるんですよね。