村田美穂編著『やさしいパーキンソン病の自己管理』改訂3版(医薬ジャーナル社、2017年)をあらためて読んで、やっぱり良い事書いてあるなと感じたので、記録しておきます。
○症状があれば、我慢せず薬物治療を開始しましょう
「最近では、症状があればむしろ早めに治療するほうが良い、という考え方が主流です。」
「我慢して動きが悪い状態のままにしておくと、二次的に関節が固まって動かしにくくなり、筋肉も使っていないため筋力が弱くなります。」
○薬は処方された通りに使いましょう
「自分の判断で使い方を変えてしまわれる方がいらっしゃいます。当院(国立精神・神経医療研究センター病院)に入院された患者さんを対象に調査したところ、約3割の患者さんが主治医に相談せず、自分の判断で使い方を変えていたことがわかりました。」
「主治医に伝えずに自分の判断で使い方を変えてしまうと、薬の効果を正確に判定することができず、適切な薬を決めにくくなります。」
○自分の判断で薬を使うタイミングを変えないようにしましょう
「「症状のよく似た方から勧められて飲むタイミングを変えてみた」などと、自分の判断で食後に使う薬を食前に使ってしまわれる方がいらっしゃいます。」
「薬は、同じ量を使っても、人によって効果の現れ方が違います。また、同じ人でも、使うタイミングによって効果と副作用の現れ方が違います。」
「特にL-ドパ製剤は、食前に飲んだ場合と食後に飲んだ場合を比べると、体内のL-ドパ濃度の変動が大きく異なります。」
「食前に飲むと急激に血中のL-ドパ濃度が高くなりますが、下がるのも早くなります。持続した効果が得られないだけでなく、必要以上に濃度が高くなるために、ウェアリング・オフ現象やジスキネジアが起こりやすくなるといわれています。」
○自分の判断で薬をやめないようにしましょう
「同じ抗パーキンソン病薬でも効き方に違いがあり、主治医はその組み合わせを考えて処方しています。」
「薬によっては効果がでるまでに時間がかかる薬もあります。」
「抗パーキンソン病薬は急に飲むのをやめたり、極端に飲む量を減らしたりするとパーキンソン病の症状が急激に悪化したり、悪性症候群を引き起こすことがあります。」
○むやみに薬を怖がらず、必要な薬はきちんと飲みましょう
「副作用を心配するあまり、必要な薬を飲めていなかったり、十分な量の薬を飲めていない方がいらっしゃいます。」
「パーキンソン病はドパミンが不足する病気なので、必要なドパミンを十分量補充しないと症状は良くなりません。」