実際に入念に調べたわけではありませんが、薬の使い方で、他科との比較で精神科が適応外使用をする機会が恐らく最も多いのではないかと想像しています。

WEBでも添付文書を見ることができます。例えば、以下はクエチアピンという薬剤の場合です。

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00060949.pdf

これを見ますと、適応は統合失調症のみ。

しかし、この薬が単剤で統合失調症に使われることは、今はまずないと思います。他にもっと良い薬があるからです。

 

では、どう使われるのか?

うつ病などに対し補助的に増強する目的(❶うつの増強療法)、気分を安定させる目的(❷気分安定作用)、落ち着かせる目的(❸鎮静作用)、眠気の副作用を用いて入眠を増強する目的(❹入眠の補助薬)、といったところでしょうか。

 

しかし、もし添付文書にこれらを記載しようとすると、薬屋さんは治験を行う必要があります。そして、「効果ありました! 追加記載します」となっても、精神科医はみんな知っていますから、今さら時間と手間と費用をかけて治験をやっても、ほとんど意味がありません。

 

「元々は統合失調症治療薬として開発されたものですが、眠りやすくすることと気分安定のために補助的に使います。適応外使用ですから、〇〇さんは統合失調症ではありません」などと説明してから処方しています。

 

本来、適応外使用は患者さんにその旨を説明すべきですが、十分に説明しない医師が多いと思いますね。時間を要しますし…。

ただ、今やインターネット時代。患者さんも自分で調べます。

自分で調べて、適応が統合失調症だと、自分の病気は統合失調症なのか、あるいは、なんで統合失調症の薬を出すんだろうか?、等々、モヤモヤした気分にさせてしまいかねないので、最初が肝心。私はキッチリ説明、と言うか、処方根拠を示すようにしています。

 

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