外来中に外来患者さんが入院になる例が、他の先生であるようです。先日そのことで他の予約患者さんを大幅に待たせることになってしまい、クレームが寄せられていました。
それはそうでしょう。
内科などでは、そういうこともよくあるようですが…。
私の場合、外来中に患者さんを入院にすることはしません。なので、折に触れ「入院希望であれば、予め入院相談ダイヤルに電話をください。相談員を通じて、外来のある日とは別の日に入院日を設定します」とご家族に説明しています。
時間がかかるからです。
入院の場合、患者さんの入院の必要性を診察にて判定し、医療保護入院の場合は家族から同意を得てサインをいただき、書類を示しながら本人や家族に説明して手渡す等があります。
そして、患者さんの退席後も、❶家族への説明や、❷入院病棟のスタッフへの指示で時間と手間がかかります。
先に❷を書きますが、まずは外来カルテを入院カルテに切り替えてから、食事の手配を急ぎます。ボヤボヤしていると、栄養課の人たちが困ってしまいます。
それから、これも遅くなると薬剤部に迷惑がかかりますが、他科持参薬の扱いについても、飲ませる/飲ませない等を指示します。
高齢者では多剤処方もよくあります。内科系薬が多く、血圧が下がり過ぎているのに降圧薬が漫然と処方されていることも珍しくありません。
たまに精神科でよく扱われる薬が他科から出ていることもあります。例えば、認知症の薬。怒りっぽい人にドネペジルの処方があれば、「これ中止して」とカルテで指示します。
他科の処方をぶった斬ることも、実はしばしばあり。
そして、❶ですが、具体的にはリスク説明は絶対に外せません。特に高齢者の場合、転倒による骨折や誤嚥、誤嚥性肺炎、窒息が起こり得ます。そのようなことができるだけ起こらないように注意するにしても、完全に防ぐことはできません。薬の副作用でフラツキが出たり、嚥下が悪くなったりして(できるだけ副作用の少ない薬を選ぶにしても)、これで何かあって裁判に訴えられるようでは病院運営が成り立ちません。
書類を示しながら説明します。
既往歴も改めて確認しておくこともあります。今までに心臓・腎臓・肝臓の病気はなかったか、糖尿病はないか(糖尿病で使えない向精神薬があります)、アレルギー歴、食事形態(普通食、全粥、副食のキザミ等)も家族がいる間にチャンスとばかり聞き取っておき、前述の食事の指示出しをしておきます。
そして、最後に急変時対応。
例えば、心筋梗塞やクモ膜下出血等の病気で、急に心停止に至ることがあります。
そんな場合に、心臓マッサージを希望しますか?
これ、聞かれた経験のある人も多いかもしれません。
心臓マッサージでは、胸を5cmほど押し沈めますから、肋骨が折れる可能性が高いです。圧迫の一発目で折れることもあります。しかし、心臓の再開を優先させることから、折れても押し続けます。折れた肋骨が心臓や肺に刺さり、二次的な障害も起こり得ます。
ここまで説明すると、高齢者の場合、希望されない家族がほとんどです。
手続きや説明で、たっぷり1時間かかりますね。
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