これ、前にも書いたかも(書いたかどうか忘れました)。

 

躁うつ病の人は、その半数以上がうつから始まります。双極Ⅱ型と言って、躁がそれほど激しくない人だと、一生涯で躁状態をほんの僅かな期間しか経験せず、しかも、「ちょっと調子いいな」ぐらいな躁にすぎないこともあり、躁うつ病であっても一見うつ病と区別がまったくつかないこともあり得ます。

 

一度でも明らかな躁を経験すれば躁うつ病です。

しかし、ずっと鬱々としてきた人だと、これが判りません。まずは単極性のうつ病と考えて、抗うつ薬が投与されます。

それでイマイチ効きが悪ければ、もしかして躁うつ病?、と考えます。

 

「うつ病」と「躁うつ病のうつ状態」で、何が変わってくるかというと、使う治療薬が違うのです。

 

躁うつ病の多くの人が鬱から経験するとなると、躁が出現するまでは躁うつ病であることが判りません。現時点でうつしかない場合でも、未来のことは判りませんから。

だから、治療初期にうつ病と診断されることがよく起こるわけです。

 

そこで、その人の病歴、家族歴、薬歴などを参照して、アタリを付けます。

 

「躁状態なんて経験したことがありません」と配偶者の方が仰り、単極性うつなんだなと思って抗うつ薬で治療しても、なかなかよくならず、抗うつ薬2剤でもイマイチきれいに状態改善しない、…そんな場合、躁うつ病でも使うクエチアピンを少し載せてみようかと考えるわけです。

 

「最初に鬱っぽくなって受診したのが20歳頃」「弟が躁うつ病です」と聞くと、病歴や家族歴から、単極性うつよりも双極性うつを疑うキッカケになります。そこで躁うつ病で使用する気分安定薬を使うのですが、それでもなかなかよくならないこともあります。

もしかして、躁うつ病の診断が間違っているんじゃないかと家族から思われることもありますし、自分でもそう思うこともあります。

 

あまり治療方針がフラフラしてもいけませんが、とても難しいところで、いつも悩みながら診療しています。

 

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