当院入院病棟には、長期入院患者さんがたくさんいます。前頁の通り、長く入院している患者さんの入院費が月3万円とか5万円とか(食事代は別途ですが)。
そんな数字なのです(急性期はまたちょっと別ですが)。
ホテルや民宿で1ヶ月滞在するよりも遥かに安い。
しかし、病院はあくまでも医療機関。医療が必要な人に対する施設です。
何ヶ月も入院していると、薬物調整などで症状軽減し、落ち着いてきます。すると、入院している必要がなくなります。薬を飲むだけなら介護施設で可能です。退院していただき、外来通院か嘱託医が薬を処方すれば事足ります。
ところが、ここで介護施設の利用料が入院費用より高額だったら、家族はどう思うでしょうか?
「老人ホームへ引っ越すと、余計にお金がかかってしまう。手続きで手間と時間がかかるし面倒臭い。病院なら医師や看護師もいて安心だし、入院費は安いし、そのまま病院に置いて欲しい」と。
みんながこれ言い出すと、困るんです。
それでなくても、日本の精神科は入院期間が長いと批判されます。
しかし、安かったら長居されるのは当然ではないでしょうか。素泊まりが1000円とか1500円とかで医療看護介護サービス付きですよ。費用が「医療施設<介護施設」ですから、「医→介」とスムーズに流れていきません。
そこで、入院費を高くしろと言うと間違いなく叩かれますけど。
入院費を年金で充当している人も多いと思いますし、元自営業の方で年金が国民年金のみで少ししかないという人にとって、3万円とか5万円とかが精一杯かもしれません。老人ホームなんて尚更行けない…。
しかし、日本の医療は入院継続の負担が軽いなど、そこを手厚くしておいて、健康保険がパンクするからと保険料を値上げしたり、窓口個人負担を1割から2割にしたりするのは、バランス的におかしくないでしょうか。
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