昔、医学部の学生だった頃、開業医さんのところへ実習でお邪魔したことがありました。内科でしたが、「今日は患者数97人」と言っていたのを覚えています。
ほぼ100人。
しかし、100人ったって、100人をじっくり時間を掛けて診察するなんて、およそ無理ですよね。1人平均5分とすれば500分、すなわち8時間20分。
朝9時から始まるとしたら、午前の部は13時まで。そして、午後の部は例えば15時から19時まで。これで8時間ですが…。
精神科診療でも、ある団体が実施したアンケートによると、外来1人当たり5分程度(再診の場合)という回答が最多だったようです。その次が10分程度。
私も時間を計っていたことがありますが、5分で終われる患者さんはむしろ例外的。何かかんかで10分ぐらいはかかります。そして、診察前の簡単な予習と診察後のまとめを記載していると、計13~14分はかかってしまうものです。ちょっと滞ると15分、前後入れて20分弱かかってしまうこともあります。
診察後のまとめには、次回の診察で薬の効果をみるとか、副作用がなければ増薬するとか、次にすべきことを忘れないように書いておくのです。
こんなことから、私の場合、診察を早く済まそうとしても、1時間に5人ぐらいまでが限度です。
なお、初診なら、30分から長い場合は60分ぐらいかかることもあります。
そんなことから、初診1人、再診30人弱がきちんとできる限界。
30人を超えると、何だか息が切れるような思いです。突っ走っているような感じ。
疲れます。
そして、ミスが多くなります。処方箋にミスが出たりして、薬局から疑義照会が来たりします。
しかし、時間がかかるのは自分だけかと思ったら、ベテランの先生方でも診察に大体10分ぐらいはかかってますね。
精神科病院の外来って、病院によってはガラガラなところもあるようですが、ウチの病院では待合室があまりの患者さんの数でごった返しています。
正直言って、外来はしんどいですね。
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