AIに相談すると、いろいろな案が出てきます。
A案。
B案。
C案。
「こういう方法もあります。」
「この構造ならどうでしょう。」
便利です。
でも、全部を採用するわけではありません。
むしろ、採用しない案の方が多いくらいです。
良さそうでも、使わないことはある
AIの案を見て、「なるほど。」と思う。
でも、実際の仕事に当てはめると使わない。
そんなことがあります。
理由はいろいろです。
加工しにくい。
コストが高い。
部品点数が増える。
組立が面倒になる。
現場では扱いにくい。
メンテナンスしにくい。
理屈としては良くても、実際には合わない。
「ダメだった」で終わらせない
以前なら、使わない案はそのまま忘れていたかもしれません。
でも最近AIとの会話を残していると、自然に「なぜこの案を採用しなかったか」まで残ることがあります。
これは後で結構役に立ちます。
数か月後、同じような案を見た時「あれ?これ前にも考えたな。」となる。
そして見返すと
「工具が入らないからやめた」
「部品点数が増えすぎるからやめた」
と理由が残っている。
人間は「考えたこと」を意外と忘れる
不思議なもので、採用した案は覚えています。
でも、採用しなかった案はかなり忘れます(笑)
しかも時間が経つと、以前却下した案をもう一度「これ、いいんじゃない?」と考えてしまうことがあります。
そしてしばらく考えて、「あ……前にも同じ理由でやめたわ。」となる(笑)
これは結構あります。
設計では、却下した理由も設計の一部
完成した図面を見ると。
そこには、採用された形しか残っていません。
でも実際の設計では、その裏にいろいろな案があります。
この形はやめた。
この材料はやめた。
この位置はやめた。
この構造はやめた。
その一つ一つに、理由があります。
私は最近、採用したものだけが設計ではないと思うようになりました。
採用しなかった判断も、設計の一部です。
AIとの会話は、その経緯が残る
AIと設計について話していると。
AIが、「この方法はどうですか?」と出してくる。
私が、「それはダメ。」と答える。
AIが、「なぜですか?」と聞く。
私が理由を説明する。
この会話が残れば、後から見るとちょっとした設計履歴になります。
なぜこの案になったか。
だけでなく、なぜ別の案にはしなかったか。
そこまで分かる。
「採用しなかった」が、別の案件で使えることもある
面白いのは、今回使えなかった案が別の案件では使えることです。
今回スペースが足りなくて却下した。
でも別の装置なら、スペースに余裕がある。
今回、コストが合わなかった。
でも高付加価値の装置なら、使えるかもしれない。
つまり、却下=悪い案ではありません。
今回は条件に合わなかった案です。
この違いは結構大事です。
AIは、案をたくさん出せる
AIの強みの一つは、短時間でいろいろな案を出せることです。
でも案が増えるほど、人間側には選ぶ仕事が増えます。
採用。
保留。
却下。
そして、なぜそうしたか。
ここは人間が決めるところです。
結論だけ残すと、理由が消える
仕事では、最終的に「A案でいきます。」だけが残ることがあります。
でも、数年後に別の人が見ると「なんでB案じゃダメだったんだ?」となることがあります。
当時の担当者には当然だった理由が、後から見る人には分からない。
だから重要な判断だけでも、理由が残っていると助かります。
AIとの会話を、判断の記録にする
AIとの会話は、ただ質問して答えてもらうだけではありません。
使い方によっては、自分がどう判断したかの記録にもなります。
この案を見た。
この問題があった。
だから採用しなかった。
代わりにこちらを選んだ。
こういう経緯が残っていると、後から自分でも助かります。
正解だけでなく、寄り道にも価値がある
AIを使うと、どうしても早く正解にたどり着くことに目が向きます。
でも、実際の仕事は一直線ではありません。
考える。
試す。
やめる。
戻る。
別の案を出す。
その繰り返しです。
だから私はAIとの会話でも、
採用した答えだけを見るのではなく、そこへ行くまでの寄り道も残しておく
価値があると思っています。
編集後記
設計をしていると、最終形だけ見れば「最初からこれを考えていた」ように見えることがあります。
でも実際は、そんなことはありません(笑)
あれを考え、これを考え、「これはあかん。」「こっちも違う。」とやって最後に形が決まります。
AIを使うようになって、その途中のやり取りまで残るようになりました。
これは意外と面白い。
チャーが案を出す。
私が、「それは無理や。」と却下する。
チャーが、「ではこちらは?」と出す。
私がまた、「それも考えた。」と返す(笑)
そんなやり取りも、後から見れば、ちゃんと設計の過程です。
採用しなかった案も、考えたことには変わりありません。
そしてその理由が残っていれば、未来の自分や、別の誰かの役に立つかもしれない。
AIとの会話、意外と捨てたものの方にも、価値があるのかもしれません。
AIを学び、AIと共に考え、AIと共に創り上げる。
