
日本中で急に冷えてきましたので、
このヒーターを使用して愛鳥さんの看護をされている飼い主さんもいらっしゃるかとは思いますが、
この「寄りそいヒーター」は電球タイプの通常のヒーターに比べて温度が低くなっています。
「ヒーター付けたから大丈夫」「30℃にしたから大丈夫」?
それでも愛鳥さんは寒がっていませんか?
「寄りそいヒーターに接近しているのに寒がっている」というのは
その場所は寒いのです。
さて、寄りそいヒーターです。

このヒーター、鳥かごの中に入れて使えるスグレモノです。
しかし、
なんで鳥かごの中に入れて鳥が火傷しないの?と思われると思いますが、
このヒーターはPTCというしくみのヒーター機構が採用されています。
PTCって何ぞや?
これはお馴染みのサンコーさんのパネルウォーマーですが、

この薄いシートの黒い部分がカーボンインク(炭素)で出来ていて、
そのカーボンに電気が流れてインクが暖かくなる という仕組みです。
ポイントなのはそのカーボンインク(黒い部分の素材)の特性で、
「表面が40℃程度になるように電気の流れる量を自動で調整している」
というところです。
このパネルウォーマーの黒いカーボンのシートのちっちゃい版が内蔵されているのが
「寄りそいヒーター」となります。
よって、寄りそいヒーターの表面は40℃程度一定となります。
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難しい部分
炭素分子の結合の変化によって電流値が変化するイメージ

(※イメージ です)
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通常の電球タイプのヒーターの温度の上がり方です

電球ヒーターだと温度の上限は決まっておらず上がり続けます。
周辺温度(ケージ内、室温)に発した熱が奪われていって、あるところで上昇は止まります。
こちらが寄りそいヒーターの温度上昇のイメージ

表面温度は室温の変化があった場合でも、一定となるようにヒーター自身で電気の量を調整しています。
・室温低い時→電気多く流して温めようとする
・室温高い時→必要な量のみ電気流して温度上げなくする となります
ではその温度はどの位なのでしょうか?

じっけんするのでち(・◇・)

何故か置きっぱなしになっている465ケージがありました(爆)
テスト環境は
室温23℃程度
40Wヒーターと寄りそいヒーター取り付け
フリースでカバー としてみました。
電源入れてカバーして30分程度置きました。
465内は25℃程度になりました。

40Wヒーター傍

27℃
40Wヒーター3cm

25℃
寄りそい傍

25℃
寄りそい3cm

24℃
ぜんぜん暖かくないじゃないか?って
そうですそういう物なのです。
40Wと5W(寄りそい)と比べると電気の量は1/8程度とぱっと見は見えますが、
寄りそいの方は温度が高い環境では温度が低くなりますので、
当然こうなります。
しかし、全く温まらないわけではなくて、
ヒーター直近の温度も測ってみました。
40W

70℃以上
寄りそい

42℃
この「42℃」というのはメーカーさんの設計値通りの値です。
元々「40℃程度の母鳥の温もりに近い温度」がコンセプトですので、
まさにこのままです。
寄りそいヒーターは5W以下のヒーターであって、
特定の場所をほんの少しピンポイントで温めるのには最適ですが、
主要ヒーターとして看護に用いるのには向いていません。
寄りそいヒーターを鳥さんの看護環境などに使い、それでも鳥さんが寒がっているようでしたら、
①室温をもっと上げる
②メインのヒーターを強くする
③他機種と入れ替える
等の対策が必要となります。
その入れ替え機種候補としては(①②が出来ている場合)
・20~30Wの保温電球
・NPFマイカヒーター(小型のもの)
・サンコーさんのバードヒーターS 等が挙げられるかと思います。
何れも表面温度が70~100℃程度、
ヒーター自体に温調付きのもありますのでぜひご検討ください。
また、サブヒーターを寄りそいから上記のような強力な小型ヒーターへ入れ替えられる場合は、
替えたヒーターの熱がサーモスタットのセンサーに影響を与えないように注意が必要となります。
(ヒーター近く、直上にセンサーを取り付けない事)
これが「寄りそいヒーター」という物なのでした。
温度が上がり過ぎず常に一定、安全度も高く、
うちのおもちの看護環境でも長年愛用させていただきました。
愛鳥さんの就寝場所において
・サーモがOFFになった時の温度低下を防ぎたい
・ピンポイントで狭い範囲をほんの少し温めたい
場合には、寄りそいヒーターは最適と言えます。
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※温度計を確認してみましょう というお話(爆)
温度計の表示なのですが、
例えば30℃と表示されていて
それは30℃なのでしょうか??????
①温度計表示が合っているのか確認しましょう

このように複数個の温度計を一ヶ所にまとめてみると
その確認が出来ます。
デジタル計で±1℃程度、
アナログ計で±2℃程度は誤差がある場合があります。
一つメインとなる温度計を決めて、それに対してどの程度誤差があるのか、
はたまたメインの温度計の表示と愛鳥さんの体調をリンクさせる事が出来れば、
他の温度計でも合わせられる事が出来ます。
誤差の大きい温度計は使用しない(目安計等)
落としたりして破損のあるもの、動きが悪くなっている物も使用できません。
②ケージへの温度計取付位置
温度計はケージの前面か側面
メインのヒーターから離れた位置に取り付けるとよいです。
(サーモセンサーの位置=ヒーター反対側又はその対角)
取り付け高さは愛鳥さんのおやすみ場所に合わせると目安としやすいです。
※温度計は
ケージの上に置くと温度が高く表示されます
ケージの下に置くと温度が低く表示されます

特に冬季はケージにヒーターが入りますので、ケージの上側の温度が上がります。
その温度を測ってしまうと、(↑ピンク色の部分)
「ケージ内の温度が低いのに温度計の表示を見ると30℃になっている」という
よろしくない状況になりますのでご注意ください。
暖かくしとくのでち(v▽v*)

そうだな(;==)(・Σ・)