[拡散希望] ヒーターは内か外か (本編) | ぴいちゃん工房

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止まり木作ってます。

先日、ケージ内で鳥さんが電気製品(ペットヒーター)の電源コードをかじってしまった事に起因する火災による鳥さん複数羽の死亡事故が発生してしまったそうです。
亡くなられた鳥さんたちと、その飼い主さんにはお悔やみ申し上げます。

 

皆さんのこの事故に関する内容のやり取りの中で「ヒーターはケージの内側に付けるのか外側に付けるのか?」というのを拝見しました。

(メーカーさんの瑕疵などについても)

 

 

今回の内容はペットヒーター(アサヒ)、保温電球(マルカン)の取扱い方法に関連する記事です。
ケージに電球タイプのヒーターを取り付ける場合、ケージの内側に付けるか、それとも外側に付けるか、またどのような事に注意して取り付ければよいのか?という内容にしてあります。

 

鳥の飼育方法はさまざまな解釈があります。
ヒーターの使用方法については、取り扱い説明書をよく読んで使用する事が基本です。
いえいえ、
ただ棒読みするたげではなくて、具体的に書いてある事を理解して、
「何がどうなると危険なのか」を飼い主さんご自身で把握することが必要です。
「取説に書いてある通りやったんだけど」では、事足りない場合が多いのです。

 

鳥さんと暮らすご家庭ごと環境が違います。

飼育用品の安全な使い方と愛鳥さんの為の安全な環境は、

飼い主さんがそれぞれ考え、実践して日々少しずつ積み上げて行くものです。

 

 

 

 

 

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⇒保温電球の能力の基準は?
あくまで基準として、100Wで465サイズのケージの密閉状態で周囲の温度+15℃、というのがあります。
飼い主さんから見ると、「このサイズのヒーターを付けるとうちのぴーちゃんの鳥かごは何℃になるのか?」というのをメーカーさんにお問い合わせされた方も多いかと思いますが、

 

その質問に関しては「わかりません」がメーカーさんからの正しい回答になります。
これは、飼い主さんそれぞれのお宅での周辺環境が違う為です。

 

ヒーターの性能表示は「何リットルの容器を周辺環境に対して+〇℃」と表記します。
「ヒーター付けたらぴーちゃんの鳥かごは何℃になったのか」は飼い主さんが適切に温度計を使用して把握する以外の方法はありません。
しかし、これでは初心者さんが完全手探り状態になってしますので、うちではケージサイズとヒーターワット数を揃えるのを「最低限の容量」としてお勧めしています。

 

 

 

⇒保温電球(ガラス球タイプのヒーター)の取扱い
この製品は、電気を流すと電球内のニクロム線などから高温が発生し、熱がガラス球内の不燃性ガスを経由してガラス表面に伝わります。その熱を周囲に飛ばして(熱交換)して周囲の空気を暖めます。

以下がヒーター電球使用時の取扱い上の注意事項です
1⃣鳥が接触しないこと(火傷をさせない)
2⃣水を付けてはいけない(割れる可能性)
3⃣汚れ、油脂分、糞などが付くと一部が高温になり割れる可能性有
4⃣ホコリ・おが屑などが電球に付かないようにする(火災の原因)
5⃣定期的にホコリなどを掃除する必要がある(火災の原因、定期的に動作チェックする、電球の定期交換等)

これが基本です。
製品によっては状況により電球表面が200℃を超えますので、使用時は冷たい空気を当てて冷やしながら使用します。
そうするとヒーター電球は加熱することなくある程度の温度に抑えられ、安定して使う事ができます。

 

 

 

⇒では、アサヒのペットヒーターの取説にはどんな事が書いてあるのでしょうか?

これは製品パッケージの側面に書いてある内容と(購入前に確認できる)、製品のパッケージ内にはもう1枚紙が入っています(紛失)。

 

・紙や布で覆ったり、燃えやすい物を近づけない
・電球に水が掛からないように充分注意する
・点灯中、消灯直後は熱いので手を触れない事
・コードをペットにいたずらされないように工夫して取り付ける
・水を掛けない、屋外では使用しない
・引火物、可燃性スプレーを近くで使用しない
・鳥かごを夜間布で覆う場合は、換気の為片側を開けておく(外箱に記述)

 

 

アサヒさんに「ヒーターはケージの中に付けるのと外に付けるのとどちらがいいの?」と質問をすると、
飼い主さんがご判断ください。と返ってきます。

 

ヒーターのトラブルはヒーター製品に対しての先述の5項目の注意不足や扱いの怠りなどから発生する他、付近の樹脂製品や燃えやすいもの、たまったホコリなど他の要因でも発生します。

 

この他の要因によるトラブル防止策を製品の取説内で説明するのは不可能であり、それをPL法に則って可能な範囲で書いてあるのが「重要」・「注意」などの細かな注意事項となります。
これはどんなに細かく書いたとしても、実際のトラブル要因を完全網羅は出来ません。

 

 

 

 

 

 

⇒では、マルカンさんの取説にはどんな事が書いてあるのでしょうか?

 

左面


➀ペットの大きさ、性質に合わせて様子を見ながら使用する
②使用中・使用直後の保温電球は、大変熱くなっているので人やペットが触れないように注意する
③付近に可燃物を置かない事

 

右面


④図のようにケージ内側に設置する(取り付け説明図を参照する→ケース側面の上部に取り付ける)
プラスチック製の容器には使用しない
⑥電源プラグはコンセントにしっかり差しこみ使用する
⑦湿気の少ない水平な場所に置き、飼い主の目の届く場所で使用する
⑧電源コードをかじって感電事故を起こさないように、保護コイル以外コードの部分は飼育ケースやケージの外に出して使用する
⑨長期間の留守、使用しない時は電源プラグをコンセントから抜いておく
⑩保温球は消耗品 予備球を用意しておくこと
⑪スチールカバーの中にホコリ・羽・毛・床材などの可燃物が入ると危険なので、定期的に点検して取り除く

 

後面(PL法に基付く記載) (一部抜粋)


⑫保温球には水やペットの尿を掛けない事 割れる原因となる
⑬タオルや布団を掛けたり、布で包んで使用しない 高温になり故障や火災の原因となる
⑭電気カーペット、電気こたつ、電気毛布などと組み合わせて使用しない
⑮電源プラグに付着したホコリは定期的に取り除く
⑯保温球に汚れ・油脂分・糞などが付着すると、一部が高温になり割れる事がある
これがマルカンさんの製品に書いてある内容です。

 

 

マルカンさんでは製品をケージ内に取り付けと指示されていますが、それはこの注事事項を全て守った上で、となります。
要約すると
ヒーターは

④ケージ内の高い位置に取り付けるが、

②鳥がヒーターに接触する事なく、

⑫水・糞が掛からなく、

⑧電源コードを鳥がかじらない設置方法にて行い、

⑪⑯定期的にホコリ・脂粉の掃除と動作確認をする事

となります。

 

 

 

マルカンさんの新製品「ヒートランプ」では、側面取り付けビスが製品に付属し、縦方向又は横倒しでケージ内の天井など最も高い位置に取り付けをする事が出来ます。これによってヒーター上部に鳥が乗ってしまうのを防ぐことは出来ますが、他の注意事項は従来型と同じ内容になります。
取説では「天井取り付けの場合は、直上のケージ網線が熱くなるので注意する事」とあります。

 

 

 

 

 

 

 

それでは、内掛け外掛けのメリットデメリットを考えてみましょう
内掛け
メリット→温度が高い
     ヒーターが外に飛び出さず、スペースをとらない
デメリット→鳥が接触するのが容易
       水・糞・脂粉が付きやすい
       ガラス球破損の場合、破片がケージ内に入る
       ヒーターの脱着が面倒
外掛け
メリット→鳥が接触しにくい
      水・糞・脂粉が付きにくい
      ガラス球が破損しても、破片がケージ内に入りにくい
      ヒーター脱着が容易
デメリット→内掛けに比べると温度低い
      ビニールカバーを掛ける場合のヒーター接触防止など、カバー等の工夫が必要

 

比べてみると
内掛けの場合はいかにして鳥の接触を防ぐか(鳥の安全)
外掛けの場合はケージカバー等の養生など対策が必要(人が対策) という事になります。
皆さんでしたら、「鳥の安全度」と「飼い主が工夫をする必要」と、どちらを選ばれますか?

 

 

 

ここからはうちの話です

 

1⃣ぴいちゃん工房ではなぜヒーターを外掛けするのか
今日現在のうちのおもちのケージは、マルカンのヒーターを2個使用、それぞれをサーモで動かしていますが、ヒーターは2個とも外に付けています。
これは
・中で暮らす鳥がいかなる状態でもヒーターに接触しない
・ヒーターを外に付ける事によって、ケージ内を広く使う
のが主な目的です。

 

おもちは35サイズのケージを一人で使用していますが、ヒーターへは脂粉の付着は多少はありますが、水浴びの水や糞がヒーターに付着した事は過去に一度もありません。

 

 

2⃣なぜ保温電球を使うのか
これは、保温電球が保温器具としては最も効率がよいからです。
ケージの直近で、数十ワットの電力消費で加熱面で150~200℃近い温度を安定してだしてくれるのは保温球のみで、サーモと組み合わせた時の温度の立ち上がりも非常に早いです。
高温高出力なのでそれ相当の対策も必要であり、ヒーターの性能と掛けカバーなどの補助素材の耐熱温度を十分に加味して保温環境を設定しています。
うちはヒーターは通常の留守番時も含めて24時間稼働しています。
夜間就寝時でもカバーは隙間を設けて掛けて、常にヒーターの換気を意識して電球の表面が加熱し過ぎないようにしています。

 

3⃣エアコンとサーモとヒーターを併用している理由
エアコンの設定温度 = おもちが必要としている最低温度としています
高出力ヒーターを設置 = 十分に温度が上がるように、十分な容量のヒーターを取り付けています
サーモで押さえる = 温度が上がり過ぎないようにするためです

これによりおもちは、必要とする最低温度と周囲の温度+サーモスタットでの制御によって決まるケージ内の最高温度の二つの温度間(温度勾配)で自分の体調に合わせて自由に移動して過ごしています。

 

またこれは、停電時、器具故障時のバックアップもそれぞれが担っています。

 

 

4⃣おもちの新しいヒーターは何故40Wなのか
60Wは温度が高くなりすぎる上、容量も大きいのでサーモのON-OFFでも慣性によって温度が上がり過ぎたり下がり過ぎる可能性があります。精密に温度調整をしたい場合は、大きなヒーター一つより小さなヒーター複数で行なうのがよいです。

 

 

うちでは、ほぼメーカーさんの取説通りに使用しています。
唯一守っていないのは、「マルカンの製品を外に掛けている」という事です。

 

 

マルカンのヒーターは非常に暖かいので、防寒カバーのビニールに影響のないように

中空ポリカーボネイト板で遮熱板を付けました。

 

 

 

 

 

 

おまけ

製品によっては、このように「●●●℃になりますよー」と説明書きがあるものもあります。

この「160℃」と言う温度を見て

・インコ火傷させないように気を付けて使おう

・そんなのは読まない 知らない

・それでどうなるのか具体的に書け  などの解釈があるとは思いますが、

皆さんどう思われますでしょうか?

 

 

 

こちらはマルカンさんの最新の製品パッケージです

 

「様子を見ながらご使用ください」

「触れないようにご注意ください」

とあります。

これは「こうすると安全です」というメーカーさんからの提案ではなくて

「愛鳥さんの安全管理は飼い主さんがお願いします」という事です。

 

メーカーさんは顧客の愛鳥さんの安全管理までは出来ません。

なので

「飼育用品に絶対安全な物はない」という事なのです。

 

 

 

 

 

 

 

なんでち(=∑=;)