今週末の日曜日には亀山の愛鳥塾へお邪魔します。
登壇ではなくて、雑用係で後ろの方に目立たないように座っていますので、まかり間違ってなにかご用がある場合は休憩時間などにお声がけください。
石投げたり炎上は無しで(爆)
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電気機器には「W」(ワット)という性能表示があります。
これは「電気製品の仕事量」ということになります。
人間の仕事は「何かを提供して対価を受け取る」という事ですが、
機械電気関係では違います。
例えば
○○kgの物を〇秒で〇メートル持ち上げられる(モーターなどの出力) とか
容量〇ℓの容器を外気温に対して+〇℃まで上げられる(ヒーターやエアコンなどの出力)など表します。
もっとややこしいのですが、電気には
圧力差(電圧)
電流量(アンペア数又はW数)となり、W数というのは電気製品の能力の目安と言えます。
まー色々ありますが。
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私たちがお家にいる動物さん達と使うヒーターなどの飼育用暖房器具には必ず「○○W」という表示があります。
お店に行くと同じような商品が並んでいて、お値段の安い物から高い物まで色々とあり、そのW数もほぼお値段と比例しています。
これの選び方なのですが、
これの例えとして
もはや昭和の家電となりましたが、丸型蛍光灯のペンダント(照明器具)です。
丸型蛍光灯が二本と、真ん中に豆電球が付いていたのを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが。
真下から器具を見上げると、こうなっています。
察しの良い方はこれで色々とお解りいただけると思いますが、まーだいたい解りますよねー。
この器具は、例えば「6畳用」「8畳用」というように、使うお部屋の広さに合わせて付いている蛍光灯の出力(W数)が変えてあります。
例えば、4.5畳用なら20+30W、8畳用なら30+40Wとかそんな感じです。
この例では、4.5畳用の器具でお部屋を最も明るくて照らす事が出来るのが「30+20=50Wで使用した時」となります。
この「器具出力(W数)」をお部屋の広さに対して適切な大きさ(出力)のものを買ってこないと、
「せっかく買ってきたのに暗いじゃねーか」という、どこかの騒ぎと同じ事が発生します。
例えば、このペンダント器具が「4.5畳用」の器具だった場合、4.5畳のお部屋で夜間使った場合、
5Wの豆球で、お部屋は明るくなるでしょうか?
明るくはならないですねー。
安眠を妨げない、お部屋の出入り口の方向が判る程度の薄暗さです。
人の顔は接近すれば認識出来ますが、本は読めないですねー。
電灯の紐を一回ひっぱって、丸型蛍光灯を一つ点けてみます。
明るくなりました。
でも、すごく明るくはないですねー。
もう一回電灯の紐を引っ張って、蛍光灯両方とも点けてみます。
はい明るくなりましたー。
この時は、最初に点けてみた5Wの豆電球は点いていません。
点いていてもよいのでしょうが、点けても特にお部屋の明るさには影響出ませんので。
こうして全灯で夜を過ごして、さて寝ましょうかとなって、
5Wの終夜灯にします。暗いです。
しかし、枕元にこれと同じ5W程度のデスクランプなどがあると、少しは手元が明るくなります。
このデスクランプは人が接近して使用しますので、暗い電球で狭い範囲だけ照らします。
ここまでで
お部屋の広さ(4.5畳)
5W
30W
30+20=50W と出てきました。
これをお部屋をケージに、明るさを温度に置き換えてみると
ケージの広さ(35サイズ)
5W
30W
30+20=50W
と、いう事は
①35ケージに5Wのヒーター
→ケージ全体は全く暖まらないが、ヒーターに接近しての使用であれば効果が期待できる
②35ケージに30Wのヒーター
→ほどほどに暖まる
③35ケージに30Wと20Wのヒーター
→非常に暖まる。状況によっては温度が上がり過ぎるので、サーモスタット取り付けなど別対応が必要
という事と言えます。
(・◇・)ありー?
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飼い主さんが愛鳥さんの為に越冬用の暖房器具をお店などに買いに行かれた時、店頭には実に様々な製品が並んでいますが。
例えば、アサヒさんのペットヒーターの40Wを手に取ったとすると、パッケージにこういう表記が見えます。
この表なんですが、
45×45×60の容器というと、ちょうど465ケージのサイズとなります。
ただし、これは「密閉してあるもの」というのが条件になっています。
本来ならばヒーター購入時は
「部屋の温度が○○℃、ケージサイズが○○、室温+〇℃に設定したいが、W数はいくつのがよいか?」と、ある程度予測の演算をして、購入するヒーターの大きさを決めるのが筋なのです。
通常、生体が入った空間を保温器具によって加温する場合は、ある程度の換気をして容器内の空気の入れ替えと、保温器具にも空気を当てて多少は冷やしながら使うのが基本です。
という事は、ケージは密閉ケースではなくてある程度の換気が出来る状態であるとすると、このアサヒさんの参考表示は換気の為のロスを考慮する必要がある、という事になります。
その辺の換気などのロスを考えて、私が割り出した「ケージサイズに対する保温器具のW数の選び方」が
20サイズ 20W
35サイズ 30W
465サイズ 40W
600サイズ 60W
位のものを用意すると、ある程度(カバーして室温+3~5℃)の温度が出せるのではないか?、というものです。
これは「ケージサイズに対して必要最低限のヒーターの大きさ」という事です。
この「○○サイズなら○○W」というのは本来ならば正確な表記ではありません。
ヒーターはあくまで「室温+〇℃」との表記となっており、その温度は様々な状況によって変化するものであって、ケージサイズとW数の組み合わせはこのように具体的には書かないのが通常なのです。
しかし、実際には皆さんお店にヒーター買いに行って、「うちの子のケージサイズだと何Wがいいのかしら?」と悩まれてしまって、
①「よくわからないからこの一番安いの買ってみよう」
→全く熱量足らずに温度上がらない
となって
②「この間の暖かくならなかったから一番大きいの買って帰ろう」
→今度はヒーター大きすぎて高温過ぎて熱中症気味に
ということが多いと様々な処から聞いておりますので。
私がこの「ケージサイズとヒーターW数」を明記しているのは、
上ようなの保温セットの失敗によって、冬を越せない鳥さん達が出ないようにと思慮しているからです。
またよく聞くのが「これでも暖まると思って大きいケージだが小さいヒーターを付けた」(看護用で)というものですね。
基本的にヒーター購入時は
どういう種類の製品か ではなくて
「飼育環境の広さに応じた必要サイズのW数のもの」を選ぶのが基本です。
優先すべきはなり形ではなく必要出力です。
鳥用の保温器具は確かにW数表示はありますが、
それが種類によっては温度の上がり方が違う物、または、性能はよいが取扱いにコツがあるものなどがあります。
そのうち気が向いたら書きますー (シーズン終わるかも)
まーすごく難しいと思いますよー(爆)
「難しいな」と思われた場合は、保温器具は通販などで購入せずに、お店に行って実物を見て買うか、店員さんに「この器具でよいか?」をよく相談されてからの購入がお勧めです。
とりあえずは購入時には外箱の注意書きを全て読んで、ご自宅での飼育方法や愛鳥さんの性格や体調に合っているかを十分考慮してからお買い求めください。
間違っても「取説無しをネットオークションで」はやめてください。
取説読まずに安全に使える製品などありませんので。
あたちのヒーターが新品になるのでし(・∑・) ←おもち談