私は週に2回、20分間、電話で英会話と日本語会話の授業を取っている。
英会話教室に通うより、移動時間が掛からないし、マンツーマン指導だから、先生が私だけに集中してくれる。会話しながら、自分が何を間違っているのか指摘され、治せる。それに、週に40分だけでも練習し続けると、海外のお客さんから偶に電話がかかって来ても、それほど緊張せずに話できて凄く助かる。(英会話の)授業を受けるのは毎回死ぬほど嫌だけど…。(日本語の授業は先生とお喋りする感じで寧ろ好きだ)
英会話授業は、毎回、私の都合に合わせて授業時間を変えられる。それで勝手に朝に授業を受けたり、夜にしたりしている。そうなると、担当の講師も毎回変わる。大抵の場合はアメリカ人かカナダ人だけど、時々イギリスのアクセントが強い先生に会ったり、南アフリカ共和国からも電話がかかってきて、面白い。
今週はオーストラリア人から電話が来た。教材の内容を5分くらいで適当に終わらせた彼は、残った時間の間自分の話をした。彼は京都で4年間英会話先生として勤めて、その後中国にも行ったが、寂しかったし、環境がどうも気に入らなくて、次はフィリピンのセブ島に行ったそうだ。最初はそこの国際学校で英語を教えたが、コロナ以降はオンライン授業だけをやりながらセブ島で9年を過ごしたと彼は言った。
「オンラインっていいんだよな、朝早く起きなくていいし、服装に気遣うこともないし。自由だよな」
彼の話を聞きながら、本当に彼が羨ましくなった。正に人生を楽しんでいる感じじゃないか。それにそういう生活ができるのは彼が大して努力したからではない。彼が英語のネイティブだからできたのだ。勿論ネイティブ講師の中でも英語をきちんと勉強し、私が間違っている所を正確に指摘してくれる先生も沢山いる。しかし、彼はそういうタイップでもなかった。面倒くさいから教材をさっさと済まして、フリートーキングという名目で、べらべらお喋りするだけだった。
K-POPとか、韓国ドラマのお陰で、韓国語を勉強したがる学生の数は増えたかも知れない。でも、英語の需要に比べれば極めて少ない筈だ。それに、英語は少し会話できるレベルでも、それだけで就職したり、昇進したりする。でも、韓国語は違う。韓国語だけではなく、英語じゃない言語は余程の実力者ではないと使い道が少ない。母国語が話せるからといて世界中を回りながら自由に暮らせる人は大抵英語のネイティブだろう。それも恐らく白人の。
私も海外の生活がしたい。色んな所に行って、のんびりしたい。
しかし、よく考えると、それができないのは私が韓国人だからではない。白人の英語ネイティブじゃなくても、自分の母国から離れて楽しく生活している人は沢山いる。私は、老いていく両親のことが心配だから、海外で何かを新しく始める勇気がないから、人種差別が怖いから、どこに行ったって良いことばがりの天国は存在しないのを分かっているから、韓国を離れないだけだ。そういう事実を無視して、他人を羨んでもしょうがない。少し反省した。