新キャラの情報が公開される時期になるとやれ30倍のある時代に○倍では弱いだの、○ダメージも叩き出すとか壊れだろとか、そういう意見が散見される。
あえて直球で言えば、何の意味もない意見である。それは一つの数字、あるいは公開された局所的な範囲の情報からしか語られていないものがほとんどだからだ。
今回は、主にダメージASにおける複合的な評価の話。
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例えば。30倍ダメージは強い?と聞かれて、それだけで強いと言い切れるものだろうか。
確かに煉獄さんのように30という数字が目立つASはあるし、強いと答えたくもなる。しかしそれが150コストならどうだろうか?最寄り1体のみが対象なら?スキル使用制限があったら?そう、同じ30倍でも評価はまるで変わるのである。
AS、特に倍率ダメージの威力に関する強さだけを考える場合であっても、
・キャラの攻撃力
・倍率(変化がある場合は振れ幅も考慮)
・範囲(命中率に直結する)
・コスト
・その他特記事項
くらいは把握してからでないと、ものの良し悪しなんてあったものではない。
最低限攻撃力の把握は必要だ。A×Bで威力を出すというのにBの大小だけでは判断のしようがない。
それで判断して良いのはAが固定となるケリュケイオンによるコピー時の良し悪しくらいのものだろう。
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煉獄さんの話が出たのでついでにもうしばらく使わせてもらおう。彼のASは範囲が遠ざかるにつれ4倍ずつ倍率が落ちる。最低は14倍。
ここまで倍率が下がれば、例えばまどほむやシュナのような攻撃力5000くらいの18倍ダメージよりは弱くなる。
…と思っていないだろうか。実際には違う。倍率の差は18と14、煉獄AS(端)の約1.285倍。しかしそれらのキャラと煉獄さんとの攻撃力差は2200程度、まどほむたちとは約1.44倍の違いがあるのだ。
倍率で勝る分以上に攻撃力差による影響が大きいため、倍率で大きく勝っているはずのまどほむASを、範囲の端の方ですら上回るダメージが出せる。それが煉獄さんであり、攻撃力を意識する必要性を感じさせる話である。
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また、4マスボスに対しては30倍ではなく平均27倍が最高(30倍が1ヒット、26倍が3ヒット)。対して新しいリヴァイは24倍のクリティカルつきだそうで。要は火版の善逸。
この4マスボス1体(森属性)に対して。仮に攻撃力が同一でリーダーであるとしたとき、煉獄さんASは新リヴァイASより高いダメージが出せるのだろうか。
答えはほとんどの場合でNOである。
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倍率差は27と24なので1.125倍の違いがある、攻撃力は同一としている。
しかしクリティカルがある。クリティカルの補正率は+100%。防具LSなどによるダメージ補正が0であるならクリティカルの有無によるダメージ差は1.5倍。結果的にリヴァイASの方が高くなる。これはタイプ弱点などを含まずに、である。
また、クリティカルによる影響はダメージ補正量が高まるほど薄まる。例えば兜と鎧で+200%補正があるのであればクリティカルの有無による差は1.25倍。
これが1.125倍になる、つまり今回の例における煉獄さんASとリヴァイASのダメージが等しくなる地点は、ダメージ補正が600%となったとき。防具上下で250盛って、炭治郎ASを追加してもまだ補正量は足りない。
よって、攻撃力が同等であれば現実的なほとんどの場合においてリヴァイASが煉獄ASを上回る、と考えられるのである。
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最後の例にしてもクドいほどの注釈的表現が入っているのが分かることだろう。
攻撃力が同等ならば。LS適用時であれば。4マスボス1体に対して。森属性。たった4ヒットの比較ですら考えるべき要素は本来多い。
とはいえ、全部網羅するのもめんどくさい。なので、倍率ダメージを考える際にはせめて攻撃力のことだけでも意識してみて欲しい。
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比較というのは、敗者を決める行為でもある。それがある程度順当な判断の元になされたのであればまだしも、断片的な情報で語られてしまうのを見ているのは、それを長年続けてきた身としてもあまり面白いものではない。
また、注意してもらいたいのは、この図鑑も所詮は私1人の視点から出力されたものでしかない、ということ。
色んな人から見た、色んな視点からの意見や評価。そういうものも等しく大切にして多面的に捉え、最後に自分の意見として練り直す。
そういうの、ポコダンに限らず使っていける手法なのではなかろうか。世の中のだいたいは複雑なものなのだから。