私のお気に入り作品にもそういった〝驚き〟を与えてくれたモノがあります。
そんな展開を生み出す手法の代表例の一つとして《叙述トリック》があります。
しかしこの《叙述トリック》というのはなかなか厄介。。
一般的にネタバレ厳禁のトリックで、全てがそこに詰まっている作品もあると思います。
でもいざ読んでみて〝《叙述トリック》モノ〟だとガッカリすることも少なくないです。。
その系統の作品をいくつか読んだ末、このトリックは〝作者の技量〟に依る部分が大きいのではないかと思うようになりました。
少なくとも、私が贔屓にしていてる作家さんの作品では《叙述トリック》でガッカリしたことはありません。
『綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー』という本で、麻耶雄嵩さんのとある作品に言及している部分があります。
〝《叙述トリック》の使い方が巧み。作品内の登場人物が驚いているのが良い〟
という様な感じで評価されていました。
その作品は私の一番のお気に入りといってもいいほどで、言われてナルホド。
確かに《叙述トリック》が作品内の世界に強く影響しているというのはなかなか珍しく、
本当の意味で〝作品をひっくり返す〟エレメントとして機能していると思います。
私が残念に思うパターンは〝読者を驚かせるだけ〟の《叙述トリック》です。
例えば
【別人と思われたAとBは同一人物である】
というモノだったとします。
ここで最悪なのが、作品内の登場人物は全員がそれを承知していて、知らないのは読者だけ。
トリックが明かされたところで変わったのは読者の見方だけ。
作品内世界には何の影響もない。
というパターンです。
〝だから何?〟って感じです。
と、単に《叙述トリック》と言っても所謂〝当たり外れ〟の激しいカテゴリだと思います。
本当に面白い《叙述トリック》モノはレアです