相対的後退 | ぱぶろの読書感想文

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ユーロはポルトガルが見事に優勝しましたね。
チームの質としてはイタリアとクロアチアが良かった印象です。

で、スペインの話の続き。
転機は12ユーロだと思います。
08の優勝・10W杯の優勝を経て、世界のレベルアップとスペイン包囲網をどう切り抜けるのか。
結果12ユーロも優勝しましたが、もうスペインの時代は終わるなと確信できる大会でした。


カギとなるのはネグレド。
当時ルイス・ファビアーノとカヌーテが去ったセビージャでエースとして期待されていましたし、既にそういった存在になりつつもありました。

ネグレドにとっては12ユーロが初めての代表メジャー大会。
ポストプレーをこなす強さとキープ力、ドリブルでの突破やバイタルエリアでの崩しに参加できるテクニック、
空中戦にも強いし遠くからでも点を取れるキック、極めつけはどんな体制でもゴールを狙えるシュートセンス。

こう書くと完全無欠に見えますが、精度の伴わないプレーも見られ、イマイチ信頼できないのが安定感に欠点でしょう。
しかしポテンシャルは非常に高く、前述のセビージャの偉大な2人を超える可能性も十分に秘めていたと思います。

そんなネグレドもユーロ本戦ではなかなか出番がありませんでした。
FWは主にトーレスが起用され、セスクを頂点に置いた0トップも多く採用されていたからです。

0トップは今では戦術の一つとして認識されていますが、当時はスペインの攻撃にマッチしていたビジャが去り、後継のいない状況での苦肉の策にも見えましま。
トーレスではビジャの代わりは務まりません。


ついにやってきた出番は準決勝のポルトガル戦。スタメンでした。
私は大きな期待を胸に試合を見ました。スペインが新たな扉を開けるんだな、と。

しかし、その期待は虚しくも実現しません。
スペースを潰すというポルトガルのスペイン対策を前にスペインは攻めあぐねます。

そんな時こそネグレドにボールを集めてほしいものです。彼の引き出しには、ディフェンスラインの裏でのポストプレイというのがあります。
グラウンダーのボールに抜け出すスピードはありませんが、ハイボールをラインの裏で受けての展開、それが厳しければファールももらえます。

そういったプレーでスペースを作り出すのが突破口になりそうな展開だったにも関わらず、
ネグレドにそれが託されたのはわずか一回。
結局、ネグレドはいいところを見せられずに後半開始早々にセスクと交代し、スペインは0トップで戦いました。

ここがスペインサッカーの転機だったと思います。
新たな武器を手に入れることを放棄し、今までの戦い方で何とかしようとしたのです。
もっと言えば、ネグレドはスペイン代表に拒絶されました。

ネグレドだけでなく、グイサ・ジョレンテが定着できなかったり、さほど活躍できなかったのにもスペインのこういった体質が影響していたと思います。

ナバス・ペドロといった個の突破を得意とするプレイヤーを採用したものの、彼らが得意とするサイドの突破を成しても、
その後どうゴールするのかという問題がつきまとい、結局大きな進歩はなく、スペインのサッカーは停滞しました。

世界のサッカーが発展する中、相対的に後退したワケです。
結局その後は周りに捲られ、メジャー大会で2大会連続の惨敗を喫しました。

今後はより厳しいでしょう。バルセロナの選手で固めていたからこそ出来た攻撃も、シャビが去り、イニエスタも加齢による衰えがきます。
ビジャのような崩しのセンスを持つFWも見当たりません。

圧倒的なポゼッションを失い、攻撃時間の長さ・パスワークの為のポジショニングからの素早いプレスによる守備が不可能にるでしょう。
ある意味誤魔化していたDFラインの守備の弱さが露呈するのも時間の問題です。
今回のユーロでもその兆しは見えていました。


今後どういった変化で再び世界の頂点を目指すのかには注目したいです。
変わらなければ落ちぶれます。