2023.11.15 いろり庵きらく 藤沢店

 絶滅危惧種であるホーム飲食の雄 “大船軒 藤沢駅店” さんと、”濱そば 保土ヶ谷店” さんの閉店の悲報を同時に知り、衝撃の余り無意識のうちに足が向かいます。


此方は “蕎麦処 さがみ茶屋 藤沢店” さんから2019.04にリニューアルされた店舗です。

東海道線 藤沢駅の2階改札口を出て、少し歩いた右側に位置する席数30の大箱店で、小振りな白い暖簾を潜り入店します。

かき揚げそば ¥ 550


此方も「食券呼び出しシステム」が導入され、店外に設置された標準仕様とは異なる交通系電子マネー対応券売機にて食券を購入し、店員さんに食券を渡すこと無くカウンターに着席して、店内モニターと対峙します。


待ち時間に店内を拝見すると、店員さんは女性のみ4名体制で、立ち食い席と着席が混じり合う客席は5割方の客入りですね。


茹で置き生蕎麦の提供店として適切な待ち時間で、モニターと合成音声で出来上がりをコールされ、提供カウンターの妙齢な店員さんより配膳され、セルフで引き取り着丼、御対麺と相成ります。

固有の白磁の器には揚げ油が煌めき蕎麦汁が張られ、茹で置き生蕎麦が其の麺線を妖しくくねらせ蕎麦汁の下に平臥して、店内調理の “かき揚げ” が鎮座し、薬味長葱が別添えとなる外観です。


先ずは高さがありさっくりと仕上げられた “かき揚げ” を、蕎麦汁へどっぷりと浸し啜ると、標準的な “いろり庵きらく” の出来栄えで美味しいですよ。


お次に茹で置き生蕎麦を手繰ると、生蕎麦固有のもっちりとした食感は感じられますが、歯応えとコシは皆無です。


更に蕎麦汁をたっぷりと含んだ “かき揚げ” に、容赦なく箸を突き立てグチャグチャに崩して、蕎麦に纏わせ手繰ると、野菜の甘味と蕎麦汁の塩味が混じり合い、此れ又美味しいですよ。


全体的に “いろり庵きらく” の水準を保った出来栄えでことさら不満はありませんが、強烈な個性を放つホーム飲食の雄 “大船軒 藤沢駅店” さんと、どうしても比較してしまいます。


本日も “駅そば” を頂ける幸せに感謝します。

御馳走様でした。

八伍-弐〇弐参