トランプ大統領で変わる日本!? | やっくんの事件簿ブログ

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※ドナルド・ジョン・トランプ

アメリカ合衆国実業家、118日アメリカ合衆国大統領選挙にて民主党のヒラリー・クリントンと接戦の末、勝利し、2017120日に第45代大統領に就任する。

 

Make America Great Again!”(アメリカを再び偉大に)

 

40代アメリカ大統領ロナルド・レーガンが1980年の大統領選の際に使った言葉です。

 

その言葉をドナルド・トランプが選挙戦当初から引用し(商標出願してしまうあたりがビジネスマン気質!)、自身のキャッチフレーズのように浸透させました。

 

※ロナルド・ウィルソン・レーガン

アメリカ合衆国第40代大統領、俳優、政治家、カリフォルニア州知事

 

全米史上稀に見る罵言雑言の応酬が繰り広げられ、皮肉めいた”最低VS最悪”の対決と釘打たれた(揶揄された)選挙戦は”最悪”が勝利する結果となりました。

 

当初民主党のヒラリー・クリントン候補の優勢が伝えられておりました。全米の有力紙の57社はヒラリー支持、トランプ支持はわずか2紙だったということで、相当アメリカ(報道関係では)でも嫌われ者のようです。その報道に乗っかっていたのか日本でもヒラリー有利が伝えられておりました。

 

 

ヒラリー・クリントン

アメリカ合衆国の政治家、弁護士。現国務長官、夫は第42代大統領ビル・クリントン

 

しかし、蓋を開けてみれば番狂わせの共和党

トランプ勝利!

 

なぜトランプは大逆転出来たのでしょうか?勝因はなんだったのでしようか?

 

いくつか理由があると思いますが、そのうち大きな要因と思われるのは2点です。

 

まず、彼の発言であったように、

 

「全てのイスラム教徒の入国を拒否するべきだ」

 

「(メキシコに対して)国境に万里の長城を造る、そして全額メキシコに負担してもらう」

 

と言った、アメリカに流入する異国人種に対して排外主義的な発言を繰り返したことによる、ある意味現実の社会問題を鑑みた発言とも取れるが、印象としては差別主義者的な考え方です。

 

これには表立ってトランプに賛同すると自分も差別主義者と世間に見られてしまうこともあり、トランプ支持とは言いづらい国民。これが”隠れトランプ支持層”として、選挙前には支持率にも現れなかった票になりました。これはやはりアメリカの白人至上主義が根強くあるということも出来るし、黒人初の大統領のオバマが「この8年間で何をしたか」「生活が良くなったか」と問いかけた際に思うことの反発でもあると思われる。

 

「差別はいけない、肌の色で判断してはいけない」という考え方は理想的であると思いますが、実際に自分の立場で考えたらどうでしょうか?

 

自分の息子もしくは娘が、イラン人グループと連んでいる、もしくは黒人グループと遊んでいる。その時、自分は「もっと仲良くしろ」「どんどん交流を深めて来い」と言えるでしょうか?(イラン人の方、黒人の方例えに出してすみませんm(_ _)m)

 

少し極端な例かもしれませんが、自分の家族を守る為には、その逆のことを子供達には言う方がほとんどだと思います。

”差別”と言ってしまってはその言葉の強さに負け”いけないもの”と思ってしまいますが、自分やその家族を守ろうと思うと、文化の違う外国人や危険な分子は少しでも遠ざけようとすることが親やその他の首長の取る行動だと思います。

”差別”と言う言葉は”より良い生活を守る為の判断のひとつ”であるということも言え、中々深い問題なのではないでしょうか。

 

しかも、昨今世界中に広がったテロの恐怖や在米外国人による犯罪率の高さ

 

これは全世界、取り分け日本でも対岸の火事ではない問題です。

 

そのことからもこのトランプに投票した人々は別に恥ずかしい訳ではないし、その層をトランプ陣営がうまく取り入れたということです。

 

また、もう一つ、最大の要因と思われるのは、トランプの掲げた1兆ドル(日本円にして105兆円!)の財政出動等の大規模な政策(主にインフラ整備に使用するというもの)などによるアメリカ経済再興への希望的賛同です。

 

近年世界は経済のグローバル化が進行し、アメリカの労働力がどんどん安い賃金の外国人労働者に奪われてきました。

 

テレビでも”ラストベルト”と呼ばれる、かつてアメリカの工業を支えた自動車工場地帯などが、現在ではゴーストタウン化しており、衰退の一途を辿っていると報道されています。

 

安い賃金の外国人労働者に仕事を奪われたアメリカ人労働者の不満 ”政治経験はなく、口は悪い男だがビジネスの成功者であるトランプの大風呂敷に(生活改善の希望を)賭けた” というのがアメリカ有権者の本音ではないでしょうか。

 

それは8年間の民主党オバマ政権では改善されなかった。それを引き継ぐというヒラリーにも期待は出来ない。と言った庶民の声があったんだろうと思います。

 

トランプの勝利に関しては、アメリカは貿易の拡張(グローバリズム)より国内の需要(ナショナリズム)を取ったということもいえるのではないでしょうか。

 

実はこの流れは、今に始まったことではなく、ここ近年、世界中で叫ばれていることなのです。

 

2014年にイギリスにて、スコットランド独立の国民投票が行われ、この際は独立に賛成派が破れ、スコットランドの独立は成りませんでしたが、確実に自国民優先の”ナショナリズム”が存在しました。実際にこの後にもスペインのカタルーニャ地方の独立がささやかれた時期もありました。

 

また、今年の6月にはそのイギリスにて、今度はEU脱退の国民投票が行われ、脱退に賛成派が、つまり”ナショナリズム”が勝利しました。

 

世界のトレンドは確実に”グローバリズム”から”ナショナリズム”になって来ているということが言えると思います。

 

だから、関税をゼロにして行う自由協定のTPP(経済連携協定)もトランプは全否定しているし、海外の国の安全保障の為にアメリカが軍隊及びお金を出すのをやめるとも言っている。

 

では、トランプ大統領誕生を、我が日本はどうとらえたのでしょうか?

 

選挙戦当初、テレビ朝日の「報道ステーション」などは「ヒラリー、ヒラリー」と言っていたのが、まさかの展開で、トランプ勝利当日などは、水を打ったような静けさの中、お通夜のような報道になっておりました。普段「報道ステーション」を反面教師と斜に構えて観ている私は、「ああ、やっぱり日本のためにはトランプで良かったんだ」と再認識したぐらいですf^_^;

 

そもそも、トランプが日本に対してどんな発言をしていたかいくつか列挙してみます。

 

「在日米軍の負担費用を日本に全部払わせる」

 

「他国がアメリカを攻撃しても、日本はアメリカを助けなくてよい。なのに他国が日本を攻撃したら、アメリカは日本を助けなくてはならない(これはおかしい)」

 

「日本と韓国の核保有は、アメリカにとってそれほど悪いことではない」

 

これらの発言は、戦後日本を支配していたマスコミ及びリベラル勢力(左翼)を大いに刺激した。

 

リベラルの方達はいわゆる護憲派(憲法改正反対派)であり、基本的な考えは、

 

「憲法9条で戦争放棄と軍備を持たないことが明記されているので、この考えを守らなければならない」 

 

「戦後日本が平和であるのはこの憲法9条のお陰である」

 

と言った考え方であるが、これはいずれも米軍が日本を守っていてくれているからできる発想であり、トランプの先般での考え方をアメリカが本当にやって、在日米軍を撤退してしまったりしたら、日本の尖閣諸島や沖縄の海の安全保障は風前の灯火となってしまい、憲法9条は足枷にしかならないことは国民周知の事実となる。

 

つまりトランプの大統領就任により、自国防衛出来る体制を整える準備をしないことには、隣国に軍国主義の中国や北朝鮮を持つ日本としては、日本国の存続すら危機に面する事になるということを意味する。

 

まさか、トランプ大統領なり、すぐに米軍撤退は無いだろうし、ましてや日本の核保有などはあり得ないから、すぐにどうの言った話では無いが、その備えが必要になったということです。

 

日本にとってのトランプ大統領の出現は、今一度、日米同盟の重要性、日本及びアジアを取り巻く安全保障、そして世界のトレンドが”ナショナリズム化”していっていることなどを把握し、真剣に議論しなければならない良い機会であるということ。

 

安倍政権に取っては悲願の憲法改正への大きな後押しになったかもしれない。

 

ヒラリーが負けた悔しさからか、大変なことになってしまい、捨てゼリフのように「戦争が始まるのか⁉︎といたずらに危機感を煽り、騒ぎ立てる報道及びマスメディア(心配されている方がおりましたら、戦争になどなるわけがないのでご安心を)。

 

彼らマスコミを含めた日本の政治家がもう少し現実を把握し、一部の考えに偏ることなく、ここは世論も政治や経済もまとまってアメリカに対峙すること。今一度、日本の安全保障の基盤である日米同盟の意義を考えること。日本の将来のことを最優先して考えていただきたい次第です。

 

 

「アメリカは分裂の傷を縫合し、今こそ共和党、民主党、独立系みんなが一丸となって前進する時だ」

 

「すべてのアメリカ人のために大統領として働くことを私は誓う」

 

勝利した際のトランプの演説は、乱暴な候補者からそれらしい次期大統領に変わった。

 

幸いにして、トランプ氏が政治家としては新人なこと、オバマ大統領との会談では人が変わったかのような紳士であったこと、また、日本の安倍首相のことを「(日本を)円安にして、アメリカが日本と競争出来ないようにした」とその力を認めていることから、早い時期に日米首脳会談の機会を持って、日本へのトランプの勘違いを正し、日本が最も話のわかる実力のある国であると説得し、より強いパートナーシップを組むこと。比較的に考え方の近い自民党と米共和党の友好の系譜を継承することなど、経験豊富な安倍首相ならばトランプを取り込むことは困難ではないはず。

 

既に会談の予定があると報道もされております(さすが早い!)。熱い外交を期待したい。

 

日本を含めた海外の国々は、自国の安全保障や経済の影響など考えるよい機会になったと思います。

 

皆様は今回の選挙戦を通じてどのように感じましたでしょうか。