パソコン修理業を営んでいますが、ほぼ毎月のように依頼されるのが、「サポート詐欺」に感染したパソコンの対応です。

「サポート詐欺」を知らない方も多いと思いますので、簡単に説明しますと、ホームページ(Webページ)に、悪意のある仕掛けを組み込んでおき、パソコンやスマホでそのサイトを閲覧した瞬間に「ウィルスに感染しています!」とか、「システム障害が発生しています!」という警告画面と警報音、あるいは音声を流し続け、パソコンやスマホを操作できないようにして、画面に表示されている電話番号に電話を掛けさせるか、チャットに誘導して、ウィルス駆除・PC復旧作業やサポートの年間契約代を払わせるために、被害者コンビニに行かせてプリカ(プリペイドカード)を購入させ、そのプリペイドカードの番号を入手してお金を巻き上げるという、卑劣な詐欺です。
こんな画面↓




なぜ支払いに「プリペイドカード」を指定するのか?というと、犯人にたどり着く可能性が低いからです。
銀行振り込みやクレジット払いにすると、払い込み先が特定しやすいです。そしてすぐにそれらの口座は凍結させられてしまう可能性が高いので、犯人は使いたがりません。オレオレ詐欺などの特殊詐欺では、お金を要求する際、受け子に現金を手渡す方法が一般的ですよね。これも犯人の身バレを防ぐためです。

ちなみにプリペイドカードはせいぜい500~10,000円くらいだから、被害も軽微なんじゃないの?と思われるかもしれませんが、実はプリペイドカードにはさらに高額なカードも存在します。
Amazonギフトカードは最高50,000円です。
Google Play ギフトカードも最高50,000円です。
Apple Gift Cardの「バリアブル(可変)」タイプはなんと、最高100,000円
ただし、コンビニでプリペイドカードを購入する際、クレジットカードは使えないので、現金あるいはペイ払いなどで支払う必要があり、現金が手元に無い場合は、すぐに犯人の要求にこたえることはできない人も多いと思います。
が、なかには犯人の言う通り、8万円のプリペイドカードを買って、犯人に番号を教えてしまったという方もいらっしゃいました。

なお、PCでサポート詐欺サイトに引っかかってしまった方の閲覧履歴を調べたところ、WebブラウザはマイクロソフトのEdgeを使っており、Edgeのトップページ内の広告記事から進んでいったところで詐欺ページに入ってしまったとか、Google Chromeの検索結果で表示されたよくあるページのリンクから進めていったら、とある広告サイトに仕掛けられていた、というケースです。
ともに、悪意のある広告をクリックしたと思われます。Webページに表示される広告には注意が必要です。