「外付けハードディスク」という商品をご存知でしょうか?

パソコンにUSBケーブルで取り付けて、ユーザーデータなどのバックアップを保存したりする際に活躍します。
テレビの外部録画装置として使うこともできる機種もあります。
記憶容量は、ひと昔前は1~2TBが主流でしたが、2023時点では民生用なのになんと、44TB という商品も市販されています。
 例:WESTERN DIGITAL My Book Duo WDBFBE0440JBK-JEEX 16万円くらい。もうこうなると業務用ですね。

同じく外部記憶媒体として、「外付けSSD」という商品もかなり出回ってきました。これはUSBメモリのちょっと大きい版とでもいいますか、大容量USBメモリと言い換えてもいいかもしれません。

SSDはHDD(ハードディスク)に比べて、高速・静音・省エネ・衝撃に強い などの利点がありますが、「値段が高い」ことがネックでした。
同じ容量で比べると一昔前のSSDはHDDの5~10倍くらいの価格でした。
ところが、技術革新・大量生産のおかげで、SSDの価格がどんどん下がり続け、2023年時点ではHDDのおよそ1.5倍の値段で同容量のSSDが買える時代になりました。

<2023年10月時点>
BUFFALO HD-PCG1.0U3-BBA 外付けHDD [1TB /ポータブル型] メーカー希望小売価格:8,580円(税込)

BUFFALO SSD-PG1.0U3-WC 外付けSSD [1TB /ポータブル型] メーカー希望小売価格:12,210円(税込)


そしてSSDの価格下落に伴い、数年前からSSDの容量詐欺商品が出回るようになりました。具体的には、2TBのポータブルSSDが 1,000円 とかの激安商品です。

ハードディスクの容量詐欺商品というのはほとんど聞かなかったんですが、SSDの容量詐欺商品はかなり見聞きします。
商品販売ページで「容量:1TB」とうたっていて、購入したSSDをPCにつないでエクスプローラーで容量を確認すると、1TB(≒931GB)と表示されるんですが、実際は「32GBとか64GB」しか実装されていない という商品です。

SSDの実際の容量を偽装する仕組みが発明され、世の中に出回っています。
(ポータブルSSDの中身がバレない様にケースは接着剤で固められていることが多い。基本的にケースには商品名や製造・販売メーカー名の記載がまったく無い。商品の中身を強引に分解すると、小容量のUSBメモリだったりする)

で、この偽装されたSSDを使うと何が起こるかというと、実際の容量が32GBだった場合、32GB以上のデータを書き込むと、表示上は「書き込めた」となりますが、実際は古いデータが上書きされてしまいます。当たり前ですよね、32GBしか入らないんですから。

こういう偽装された商品を実際に購入し、検証して動画にアップして公開している方々もおります(動画ネタとして)。
それらの動画を見るとわかりますが、極端に安いSSDは、容量詐欺の前に「正常に動作しない」=不良品 だったりすることもあります。
不良品でしたら、即座に返品・返金を申し込んで返金されれば実害は少ないのですが、容量詐欺商品のくせに「あたかも正常なように動作してしまう」商品の方がたちが悪いです。
しかも、こんな詐欺商品を販売する輩が、まともな品質の商品を売っているわけがありません。中身の32GBメモリにしても、「正規USBメモリ製造メーカーでロットアウトになった商品を格安で買い取って偽装商品に組み込んでいる」なんて噂も聞きます。書き込み・読み込み速度が異様に遅いとか、買って数日~数ヶ月で故障するなどなど。
※ ロットアウトとは、製造した製品が検査の段階で必要とされる仕様を満たしていないなど、欠陥が発見されたため、不良品となり、出荷できなくなること。

こういう商品は海外の有名Webサイトで販売されていることが多いですが、さらにヤバイ商品がAmazonJapanでも販売されていることを確認しました(2023/10/10時点)



この商品は、ポータブルSSD 外付けSSD 1TB \6,300 という商品です。 値段からすると、マトモな価格設定です。

ところが、その商品名をクリックして 商品詳細画面に移動すると、以下のように恐ろしい罠が仕掛けられています。


お分かりいただけたでしょうか?

商品の仕様の下部に「容量」欄があるんですが、64GB と 1TB の2つがあるんです。

そして 64GBがデフォルト(初期値)に設定されており、その値段が \6,300なんですね。 1TBを選ぶと\6,390 です。

まあ 商品にはメーカー名とか型番の記載が無いので、1TBのほうを選んだとしても 送られてくるのは 中身が64GBの商品だと思います。


SSDに限らず、商品本体にメーカー名や機種名の表記が無い商品の購入はやめた方が無難です。