パソコンの動作が遅いとき、「メモリーを増やせば速くなる」という情報を見たり聞いたことはありませんか?

これは、半分ウソで、半分本当です。

パソコンの動作が遅い原因がメモリ不足にある場合は、メモリを増やせば速くなります。
が、そうでない場合はいくらメモリを増やしても、速くなるどころか、逆にPCの起動速度が遅くなったりします(BIOS起動時に、メモリ診断する設定になっている場合)。

よくある例ですと、OSがWindows10で、CPUがCeleron、ストレージが5400rpmのハードディスクという構成で、普段パソコンは「Web閲覧やオンラインショッピング、メールチェック、EXCELで家計簿をつける程度」という使い方の場合、メモリが2GBしかないと、相当遅く感じるはずです。
メモリが2GBのパソコンは、即 4GB以上に増設することをお勧めします。
Windows10のシステム要件(最低)は、プロセッサ(CPU):1GHz以上、RAM(メモリ):2GB以上
となっており、2GBでも動くことは動くけど・・・というレベルです。

ここ5年以内に発売されたパソコンに搭載されているメモリは最低でも4GBはあると思うので、先ほどの使用環境であっても、メモリ4GBならそれほどPCの動作速度に影響はないはずです。

それでもPCが遅い場合は、ハードディスク(HDD)のトラブルか、Windowsのトラブル、アプリのトラブル、マザーボードのトラブル、ウィルス感染などが考えられます。
ハードディスクは予想以上に早く劣化することがあります。(劣化すると、動作が遅くなることがよくあります)

また、ノートPCのHDDは毎分5400回転(rpm)のものが多く、デスクトップPC向けのHDDには7200rpmのものが多く、その回転数の差がノートPCが遅い原因の一つです。(同じ1TBのHDDでも、5400rpmと7200rpmでは、単純計算で25%もの速度差があります)

ただ、Google Chromeを起動してタブを10個とか20個以上開いて閲覧するとか、CADソフトを使ったり、オンライン対戦ゲーム、Youtubeアップ用の動画を編集するとか、Adobeのフォトショップで画像編集するなど、メモリを大量に消費するアプリを使う場合は、4GBでは足りません。
この場合は最低でも8GB、場合によっては16とか32GB以上、必要になります。
そういう用途でパソコンを使う場合は、メモリを増設しましょう。

PCの遅い原因がなんなのかを調べる方法の一つとして、タスクマネージャーを起動して調べる方法があります。
やり方は、[Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを同時に押すと、タスクマネージャーが起動しますので[プロセス]タブを見てください。
CPU メモリ ディスク が並んでいますが、赤くなって100%または99%などになっている項目が[遅いデバイス]です。
以下の画像は、[ディスク]が100%になってますが、これはハードディスクの使用率が100%に張り付いており、それがボトルネックになっていることを表しています。


[メモリ]が100%になっている場合は、メモリを増設すれば解決しますが、当店に持ち込まれるたいていの遅いPCでは、[ディスク]が100%になっていることが多かったです。

一般家庭で使うパソコンの速度に一番影響を与えるのは、ストレージだと思います。ハードディスクをSSDに換装すれば、たとえCPUがCeleronだとしても相当速くなります。
お試しあれ。

あ、ゲーミングPCの場合は、ストレージがSSDであることは必須ですが、CPUやGPU(グラフィックボード)、メモリも重要です。
特に「GPU」ですね。
高いものは、GPU単体で「30万円」もするものもあります。