一般家庭において、日立のパソコンはベーシックマスターシリーズ、S1シリーズ、MSXシリーズだったHシリーズが有名でしたが、ビジネス路線となると、ベーシックマスター16000を含めて市場の中では埋没状態でした。
DOS/V機であるフローラシリーズの登場まで、苦しい時期を支えたのが日立B16.B32シリーズでした。
1980年代後半に発売されたB16LXは、i80286-8MHzのCPUを搭載したラップトップパソコンです。
近年はラップトップパソコンをご存知ない方が多いと思います。
簡単に説明すれば、ノートパソコンとデスクトップパソコンの中間サイズです。
技術革新途中でノートパソコンが存在しなかった時代、持ち運びできるパソコンとして大変重宝されました。
とはいえ、重量は5Kg~8Kg近くあり、その殆どがバッテリー駆動できず、どちらかといえば省スペースデスクトップのような存在でした。
ポケットコンピュータ・ハンドヘルトコンピュータといわれた、関数電卓の機能拡大版コンピュータや、ノートサイズの液晶数ケタ表示のパソコンでは叶えられないビジネスユースの希望をラップトップコンピュータは実現してくれました。
現実、通勤用の車にラップトップコンピュータを積み込んで仕事を持ち帰るサラリーマンが増えたのはこの時代からです。 家庭にパソコンがそこまで普及してない1980年代。 高価なビジネスコンピュータの1端末として、またメインマシンとしてノートパソコンの普及までの数年間、日本の市場を支えてくれました。
ノートパソコンの普及から、ラップトップパソコンは携帯型より省スペースデスクトップへ方向転換し最終的に市場から消えました。 近年、液晶モニタ一体型デスクトップとして、ラップトップパソコンは名前を残すことなく存在だけを復活させました。