2017年の「地球の自然予算を使い果たした日」は8月2日
これまでで最も早い日付となってしまった。

米国カリフォルニア州オークランド発
2017年6月27日、グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)は、
今年の「地球の自然予算を使い果たした日(アース・オーバーシュート・デー)」
を8月2日に設定しました。
アース・オーバーシュート・デーとは、人類の自然に対する年間の需要が、
その年に地球が再生できる量を上回る日のことです。

1997年には9月の終わりだったアース・オーバーシュート・デーは年々早まり、
今年の8月2日は、1970年代初頭に世界が初めてオーバーシュートして以来、
最も早い日付です。
言い換えれば、今日、人間は生態系が再生する1.7倍の速さで自然を消費している
(地球1.7個分で暮らしている)ということです。

世界は、人口と経済の両面において拡大を続けています。
1950年には25億人程度だった世界の人口は、1996年には56億人まで増加しました。
また経済規模を見ても、世界のGDPの総計は同じ期間で5.5倍に拡大しました。
このような人類社会の急激な拡大により、地球の有限性が問題となりつつあります。

 WWF(世界自然保護基金)の試算によると、
現在の地球が生み出す資源・食料や二酸化炭素の吸収などの浄化能力を考慮すると、
人間一人当たりの面積(環境容量)は2.18ヘクタール程度であるべきと考えられています。
しかし、実際の社会経済活動に伴う資源消費や環境負荷はすでにこの環境容量を超えており、
世界中の人々が環境負荷を与え続ける場合、地球はあと1.7個必要ということになります。

この消費超過コストは、世界中で、森林破壊、干ばつ、水不足などの形となり、
ますます明らかになってきています。

しかし、私たちはこの流れを反転させることができます。
この日付を毎年4.5日ずつ戻せば、
2050年には地球1個分の使用に戻れます。

GFNでは、アース・オーバーシュート・デーに注目するよう、
今日行動できる可能性を強調し、その影響を推定しています。

例えば、世界中で食品廃棄物を50%削減すれば11日戻すことができ、
世界のエコロジカル・フットプリントのカーボン要素を50%削減すれば、
89日戻すことができるのです。

「エコロジカル・フットプリント」って何?

エコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)とは、
どれほど人間が自然環境に依存しているかを、
わかりやすく伝える指標であり、ツール(道具)です。

環境問題の根本的な原因のひとつは、
自然からもたらされる資源に限りがあるという視点が欠けていることにある。

地球1個分の暮らしを行うために、私達の活動がどれだけ環境に負荷を与えているか、
そして環境から生み出される資源の規模はどれだけあるか、
両者の関係を正しく理解し、適切なバランスを取り戻していかなければならない。

そのために、環境に対する負荷量を計量的に計測する指標が必要となる。
その指標の1つがエコロジカル・フットプリントである。

家計で言えば、収入より常に出費のが多く、銀行預金を食い潰している状態です。
つまり、預金が底をつく時は自然資源が尽きる時です。

「地球には限りがありますが、人類の可能性には限りがありません。
地球1個分で暮らすことは技術的に可能で、財政的にも有益で、
繁栄する未来にとって唯一のチャンスです」
とGFNのCEOであるマティース・ワケナゲルは語っています。
喜ばしいことに、GFNの最近のデータには、
私たちが正しい方向に進み始めている兆しも見えています。

しかし、
日本のエコロジカル・フットプリントは、3.9ha/人
世界合計(公平な割り当て面積)では、1.7ha/人
世界中の人が平均的日本人と同じように生活すると、2.3個の地球が必要になります。

つまり、日本人は現在の経済(消費)活動のスケールを
2分の1以下に戻すことが求められるのです。


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