ラニー・バッシャム
メンタル・マネージメント 勝つことの秘訣
人間の精神活動は3つに分類される。
意識……心に思い浮かべたり、考えたりすること。
下意識……練習によって身に付けた技術のこと。
セルフ・イメージ……自分自身が考える「自分らしさ」のこと。
この3つがバランスよく成り立っていることが
自分自身のパフォーマンスを最大限に発揮させるために必要。
このバランスを取るためには、下記の「10原則」を心がけること。
①「意識」の第1原則:「意識」は一度に一つのことしか考えることができない。
②「意識」の第2原則:あなたが何を言うかは、さして問題ではない。重要なのは、あなたが他のひとに何を思い描かせるかである。
③「下意識」の第1原則:すべての精神の力の源は「下意識」の中にある。
④「下意識」の第2原則:「意識」がイメージを描くと、「下意識」の力はそれを実行させる方向にあなたを動かしてしまう。
⑤「セルフイメージ」の第1原則:「セルフイメージ」と実行行動は常に一致する。自分の行動や成績を変えたかったら、まず「セルフイメージ」を作り変えなければならない。
⑥「セルフイメージ」の第2原則:あなたは今の「セルフイメージ」を、自分の望む「セルフイメージ」と取り換えることができる。そしてそれにより、自分の行動や成績を永久に変えてしまうことができる。
⑦バランスの原則:「意識」と「下意識」と「セルフイメージ」のバランスがとれてうまく協調していれば、実行することも成果を上げることもやさしい。
⑧補強の原則:起こることについて考えたり話したり書いたりすればするほど、そのことが起こる確率は大きくなる。
⑨水準の原則:まわりの水準によって自分の水準が上下する。
⑩価値の原則:物事のありがたみは支払った価値に比例する。
「分かってる人は分かるが、分かんない人にはまるで何を言ってるのか分かんない」内容になっている。
わかりやすくまとめると。
意識…「やる気」
下意識…「実力」
セルフ・イメージ…「自信」
「やる気」と「実力」と「自信」の3つ、
これがうまい具合にバランスが取れて上手く協調している状態を作り出す。
いくら練習しても大会になると良い成績が取れないとか、プレッシャーに弱いとかいうのは、そのバランスが取れてないのが理由。
やる気ばかりが先行していて、実力も伴っていなければ自信もない。
これが「初心者」だ。
練習によって実力をつけていき、同時に自信も育っていけば自然とバランスが取れていく。
やる気も実力もあるのに自信がない。
いくら練習しても勝てない熟練者がこれにあたる。
何らかの理由で自信を喪失してしまっているのが理由だ。
自分の実力に見合った自信を持つように改善することが必要。
実力も自信もあるのに、やる気がない。
ただ漫然と練習を繰り返しているが、日々の射撃に意識をしっかりと集中できなくなってしまっている。
何らかの方法で「やる気」を呼び戻す必要がある。
やる気も実力もないのに自信ばかりがある。
これは単なる自惚れ屋だ。
自分は強い、自分は勝てると思い込んでいるが練習を人並み以上に熱心にやってるわけでもないので、当然勝てない。
自信を持つのは良いことだが、それはあくまで練習で身に付けた実力による裏付けがあってからの話ということだ。
「やる気」を大きくするには?
具体的な目標を明確に定める。
何を実現させたいのか、いつ実現させたいのか。
それもとても実現できそうにない夢のようなものじゃなく、かといって決して謙虚にすぎないものであることが重要だ。
そしてその目標をわかりやすく掲げて、できれば他人にも「自分は、これを目標にしている」と表明することだ。
「目標を常に見えるところに掲示する」
「実力」を大きくするには?
とにかく練習しかない。
週に1日の練習は、下手になるだけ。むしろ練習しないより良くないくらいだ。
週に2~3日は、下手にはならないが上手くもならない。
週に4~5日がちょうどいい。週に6日以上も練習すると燃え尽きてしまう。
ここまでは普通のこと、極めて当たり前のことだ。
わざわざ本なんか買わなくても誰でも知ってる。
最大の問題は最後の一つだ。
「自信」を大きくするには?
重要と思われることとして、下記の3つが挙げられている。
①良かった時は大いに喜び、悪かったことは忘れろ。
良い結果が出たときは「これこそが自分らしい結果だ」と思い、悪い結果は忘れるようにする。
②成功した時のことを日頃から思い浮かべるようにする。
大会に優勝するときのことなどを何回も思い浮かべていつでもイメージできるようにする。
③他人が成功したら、自分のことのように喜んで、大いに褒める。
人を褒めれば、他人からも褒められるようになる。
褒めてもらうと、人は褒められるにふさわしいことをするようになる。
自信(セルフ・イメージ)というのは要は「自分自身への評価」だが、他人から自分への高い評価は、
当然のことながら自分から自分への高い評価を補強する大きな手助けになる。
この一番最後の、
「褒めてもらいたければ、人を褒めろ」というのが、
この本を通して作者が一番言いたかったことかな。