いーちゃん6歳5カ月(2024年1月)ごろ。
「イマから、めをつぶってコレがなにかあてるゲームをします!」
「ん~…」
「わかった!ドクターイエロー!」
唐突に始まったそのゲームは、あっという間に私を未知の空間にいざなった。
目をつぶって、手の感触だけで何を触っているか当てるゲーム。
その趣旨は理解しているつもりだが、
いかんせん、その目的物を自分で持ってきて
颯爽と"当て"始めるスタイルにはお目にかかったことがなかった。
トランプマジックに例えると、
「今から、この♠のAが何のカードか、当てて御覧に入れましょう。」
「…!…♠の…A!」
という感じになるだろうか。
見事に言い当てた本人は、満面のドヤ顔でこちらを見ている。
世界の理が根本から揺らいでいるような、
言い知れぬ不安に襲われそうになった、父であった。