いーちゃん2年生の3月末。
離任式。
春休み中の、久々の登校日である。
「今日は1時間で終わるんだよ!」
いーちゃんは朝から妙に機嫌がいい。
しかし昨夜からの断続的な雷雨は、
登校時間になっても強弱をつけながら降り続いている。
彼の登校班の他のメンバーは、全員送ってもらうことになったとのこと。
おトーさんは確認する。
おトーさんは確認する。
「一人になったけど、どうする?」
普段であれば、晴天であっても送迎を希望しそうな彼。
しかしこの日は違った。
しかしこの日は違った。
目を輝かせて言う。
「え!?一人ってことは、自分の好きな速さで歩けるの!?」
その通りである。
ただし、雨である。
ただし、雨である。
さらに彼は続ける。
「ねぇ!走ってもいいってこと!?」
いや、別にいいけども。
ただし、雨である。
そして今にも走り出しそうな構えのいーちゃん。
この高揚感は、どこか危うい。
おトーさんの中で、警報が鳴る。
結果―
「お、送ってあげるよ…」
そう告げた瞬間、なぜか敗北感が残った。
いーちゃんの自由を奪ったのはこちらである。
しかし同時に、自由にさせてはいけない気もしたのである。
しかし同時に、自由にさせてはいけない気もしたのである。
4月から始まる3年生生活においては、
朝から転んでけがをしたり、
橋の上から靴を飛ばして失くしたり、
おしっこを我慢しながら歩いたりせず、
新入生のお手本となる上級生としてぜひ頑張っていただきたいものである。
