いーちゃん6歳1か月(2023年8月末)ごろ。



いつものように、いーちゃん・ハチチがお風呂での小競り合いを終え、

おもちゃを譲らないハチチに業を煮やして先に出てきたいーちゃんは、

腹いせにお風呂の明かりを消していたずら。



すぐに、ハチチの「とわい~(怖い)」

という、舌足らずながらも悲鳴じみた声が聞こえる。



「お風呂の明かりを消したら、ハチチが怖がるからダメだよ。」

いーちゃんを諭す父。



「いーちゃんも、ハチチくらいのころ、

お風呂の明かりが消えたら『こわい!』って泣いてたんだよ。」



「え!そうなの?」

驚くいーちゃん。



よし、あと一押しだ。

「自分がされて嫌なことを、ハチチにしてもいいのかな?

考えてみよう?」



…決まった。

叱るわけでもなく、いーちゃんが相手の気持ちを考えて自分で判断ができる、

いい声掛けだ!

と心の中で自画自賛をしかけたその時、

不思議そうな顔をしたいーちゃんが一言。



「いーちゃんがちいさいときは、だれがアカリをけしたの?」



予想外の反駁に、慌てる父。

「ぐむ…だ、だれだろうね…」



冷静に推理を進めるいーちゃん。

「あ…!わかっちゃったんだけど!」



もはや心は断崖絶壁に立っている状態の父。

「だ、誰が消したんだろうね!こわいね!あーこわい!」



真犯人を突き止める一言。

「おトーさんでしょ!」



…ぐうの音も出ないとはこのことか。



浅はかな父の思惑を、いーちゃんの想像力が軽々と超えていった瞬間であった。