ハチチ3歳半(2024年1月)ごろ。


なかなかご飯が進まないハチチの口にスプーンを持っていくと、

開いた口を指さしながら

「ほら、まだ入ってるでしょ!?」

とばかりにドヤ顔を見せつけてくる。


「ちゃんとおかたづけする!」と約束しておもちゃを出したのに、

いざお片付けとなると、一つも片付ける前から

「いっしょにおかたづけしよーよー!」

と泣き落としを仕掛けてくるなどなど…。

ますます奔放さに磨きがかかってきているハチチ。


近頃は、何か注意すると「ちがうよ!?」と返すのがお好きな様子。


先日のこと。

ごはんの前に「おたし(お菓子)たべていい?」と、

“か行”が“た行”になる独特の舌足らず口調で過激な要求を突きつけてきたので、

「ダメだよ。」と断固として要求を突っぱねた。


そもそも、さっきまでも結構お菓子を食べていたし、これ以上食べるとご飯をちゃんと食べられなくなる可能性がさらに増大すること請け合いである。


ところが、その却下の意を伝達し終えるかどうかくらいのところで、大きな声が飛び込んでくる。


「ちがうよ!?いっと(一個)だけ!」


ハチチの主張はこうである。

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パパ上、違うんでやんす!

早とちりをしてもらっちゃあ困りますぜ。

なにも、今からお菓子をむしゃむしゃ全部食べてしまおうって言ってるわけじゃあないんでやんす。

あっしが食べたいって言ってるのは、一個だけ!

たった一個だけなんでごぜえやす!

ね?何の問題もねぇでやんしょ?

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一瞬、納得させられそうになるほどの説得力を帯びた力強さに、

「あ、そうなの?一個だけ?」と口が動きそうになって我に返る。


…いやいやいや、ちがわないよ!?

一個たりとも食べたらダメだから「ダメ」って言ってるんだよ!?


今日こそは納得して我慢してもらおうと

意気込んで交渉を続けるものの、あえなく決裂。


泣き出すハチチに根負けし、「絶対にごはんを残さず食べること」

を固く約束したうえ、結局お菓子はハチチの手に。


そして、一度も守られたことのない「固い約束」の行く末を案じながら、今日もため息をつく父であった。