いーちゃん6歳3カ月(2023年11月)ごろ。


来年の春に小学生になるいーちゃんの、

就学前検査があった。


仲のいいお友だちもいて、

意気揚々と検査に臨んだいーちゃん。


一番初めの聴力検査では、

先生から見えないところで小さーく手を挙げ、

「え?聴こえてる?」

と困惑する先生に対し、

「うん!きこえてるよ?」

と「それが何か?」と言わんばかりの返答をし、

さらに事態を混迷へ導く活躍(?)を見せたいーちゃん。


満を持して臨んだ視力検査では…。


「穴のあいてるところ指さしてねー」

という先生の指示に対して、

「ん!」と口を固く結んで指をさす彼。


ちゃんとした視力検査は3歳児検診ぶりだけど、

一人でできるようになったんだなぁ。

と少なからぬ成長の喜びを感じていたのもつかの間。


「あれ?穴のあいてるところ指さしてくれるー?」

と、なぜか困惑した先生の声が。


一体何が…?


よく見てみると、いーちゃんは、

どれに対しても堂々と真正面を指さし、

「いちばんおおきいアナはそれだ!」とばかりに

ランドルト環のど真ん中を指さし続けていたのだった。


確かに、「穴のあいてるところ」と言われたら真ん中になるよな!

いーちゃんの"ごもっとも"な間違いに思わず吹き出してしまった。


指示通り純粋に「穴」を指さしていたいーちゃんに心の座布団一枚を送りつつ、

その他の検査も終わり、最後は先生に引率され、親と離れてどこかの教室へ学力(?)検査へいったいーちゃん。


今後のために、どんなことをしたのか教えておいてもらおうと思ったのだが…。


帰ってきたいーちゃんに聞いても、

「わかんなーい」

「ぜんぶわすれた!」

と、ぼんやり系男子の本領を発揮して、

何一つ有益な情報をくれることなく、

(唯一、先生が「布団が吹っ飛んだ」というダジャレを教えてくれた、という情報だけは得られたが…)我々の就学前検査は幕を閉じたのだった。