8月のことば | 上質人生のススメ

上質人生のススメ

上質な人生について考察していきます。
俳句や狂言、茶道などの日本の伝統文化を通し、
潜在意識の活用法や脳科学的視点から、上質な人生の過ごし方を提案していきます。
季節の俳句のご紹介もご覧ください。

8月の俳句です。
俳句は季節のインデックスです。

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川風に身をまかせゆく浴衣かな

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※絵:山口珠瑛


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【俳句の季語】浴衣(ゆかた)

昔入浴の際に用いた主として木綿の単衣、すなわち湯帷子(ゆかたびら)の略であるが、
今は浴衣がけで外出もするようになった。
湯上がりにのりの利いた浴衣のそぞろ歩きも良い。
(ホトトギス新歳時記)

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【俳句の風景】

夏の夕方、花火を見るときやお祭りなど浴衣を着ることがあります。

浴衣を着るのはちょっとした夏のお出かけな感覚になるので
浴衣で出掛ける機会を探したりしてしまいます。

この俳句は、六甲山の麓の川の近くで浴衣会があった時のものです。

川のほとりを浴衣姿で歩いているのを見ていると
川風に浴衣の袖や裾がひるがえり
見ていても涼しげな感じがします。

実際に、自分が浴衣を着て川風に吹かれていると
浴衣の袖がまるでヨットの帆みたいに風を受けて
風の力で押し出され歩きだしてしまうような感じさえします。

そのうち、自分と川風がまるで一体になったような
自由でいて前に進むような不思議な感覚になっていきました。

洋服の時には、今まで自分と川風が一体になるような感じを
受けたことはありませんでしたので、ちょっとびっくりしながら
川風に身を任せていく愉しさを味わっていました。

自然の風と一体になった感覚は、心が自由になる感じがします。

自然と共に暮らして来た日本人の感覚が
ちょっと垣間見えたような嬉しさを覚えた俳句です。