何か素敵なものを見つけて、季語を選び、
五 七 五 のリズムに整えると俳句の形にはなります。
この時、自分の主観、つまり自分が感じたそのままを表現してしまうと、
うまく感動を伝えることができません。
例えば、
きれいだな 桜が咲いて 感動だ
これは、桜 という季語を入れた 五 七 五 の俳句ではありますが、
「だから?」っていう感じではありませんか。
客観写生とは、なるべく俳句のモチーフとなる対象物を客観的に描くことをいいます。
今、何かを見て心が動いた。
自分の心を動かしたものはなんだろう。何に反応したのだろう。
何に感動したのだろう。
自分の焦点の先を観察すると、例えば、
満開の桜の花と青空との色の対比に心が動いた、この美しさを誰かに伝えたい。
この時、自分の感動を伝えるのではなく、自分が見たものを
なるべく正確に写生することによって、
その世界観を読み手の脳内マップに再現させるようにするのです。
読み手は、自分の過去の記憶のデータベースから、
情報を自分なりに再現することで、満開の桜と青空って
確かに綺麗だなあと自分の感動として捉えるのです。
つまり、この段階で、その俳句は、もうすでに読み手のものに
なっていると言えるかもしれません。
俳句は作者のものであり、実は、解釈を自由にする読み手のものでもあるのです。
高浜虚子の桜の俳句で、
咲き満ちてこぼるる花もなかりけり
という俳句があります。
花 は、俳句では桜を表します。
桜が満開になって次の瞬間に花びらが散り始める、
その直前のピーク感の不思議な静けさを想像し、大好きになった俳句です。
違う解釈で感動する方があるかもしれませんね。
読み手の感性が、それを決めるのです。
誰かに伝えたいことがある。
そのとき、相手の世界マップにどのように想像してもらえるように表現出来るか。
プレゼンを始め、俳句以外の領域でも同じことが言えるかもしれませんね。
表現する練習としても、俳句はなかなかいいなと思います。
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11月2日(月)、千原 叡子
(ちはら えいこ)先生の俳句会@大阪をおこないます。
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高濱虚子に師事し、虚子の小説「椿子物語」(中央公論社)では実名のヒロインとしても登場。
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