遺伝的に弱い人がジャンクフードを食べると大腸がんになりやすい(その2)

大腸がんは近年日本でも発症者が増加傾向にあります。食事の欧米化が原因とも言われていますが、遺伝的な要因も関連しているようです。

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具体的な調査内容

被験者達は、食事のタイプによってグループ分けされ、1.フルーツと野菜、そして全粒の穀類だけを摂っていたグループ、2.コーヒーと肉類が多いグループ、3.地中海ダイエットに似た(魚、葉野菜、パスタ、ソースとワイン)、4.揚げ物やファストフード、ダイエットソーダを多く食べるグループに分類されました。

20ヶ月以上の追跡調査により、56の被験者(または12%)が直腸の腺腫について検査結果が陽性となりました。

4つの食事グループのうち、ジャンクフードを食べていたグループは直腸腺腫に関するリスクが異なるものを示しました。

ジャンクフードの摂取量が低い被験者160人のうち、17人が直腸腺腫を発症した一方で、最もジャンクなフードを食べていた160人中18人で腫瘍が見つかりました。

その数は当初似たようなものに見えました。しかし、喫煙やその他の危険因子を勘案した後、研究者はジャンクフードを多く食べているグループは病変の進行のリスクが2倍高いと断定しました。

「なぜジャンクフードがこれらの腫瘍の発症のリスク上昇と関係しているかを説明するのは困難だ」とヒューストンにあるテキサス大学のMD Anderson Cancer Centerの指導員であるMala Pande博士(今回の研究に関わっていない人物)は述べています。

彼女は一部の研究者が高脂肪が腫瘍の発症リスクを上昇させる要因である可能性を示していますが、この調査結果からそう結論付ける事は出来ません。

この発見はリンチ症候群患者に食事の推奨を行うために使うにはあまりにも時期尚早ですが、この研究は特定の食品のガンのリスクに対する役割を調査する研究を立ち上げる意味で価値があります。

「リンチ症候群の人はリスクが高い状態であり、我々は本当にそのリスクをより良く制御する方法を知りたいと考えています」と研究に関わっていなかったAmos博士は言います。

特定の食品はその他の種類のガンと関わりがある事は示されていますが、多くのそういった研究はお互いに反証を示している状態であり、混乱を招いています。

Amos博士は新しい研究は良いスタートですが、「更なる発見を元に確認した方が良い」と述べています。

(出典: www.health24.com)

ブーケ1環境要因と遺伝的要因によるリスクの変化

以前から言われていることですが、病気には環境的要因と遺伝的要因があるとされます。遺伝的にある病気になりやすいという話は想像できると思いますが、同時に環境によっても病気はなりやすくもなりにくくもなると言うことです。
今回の統計結果は、両者がそれぞれ影響を与える事でより大きなリスクになる事を示したと言う意味で意味があるのではないでしょうか。


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