ついに手に入れた。
むしろ狙っていたものよりグレードの高いものを。
経緯を少々。
手持ちのマーチンくんはもうしばらく触ってすらいない。
レイラニがメインになってからどうもネックの薄さがしっくりこず左手の握りづらさが際立ってしまった。
音はカラッとしたコアの良さがよく出てはいる。
他の個体を知らなければ、他の個体も全て同じネックの厚みだったらきっとそういうものだと使い続けていたかもしれない。
握りやすいネックがあることを知ってしまった以上やむを得ない。
「そんなの微々たるもんでしょ」
その微々たる部分がどうしても引っかかってしまう。
弾かなくなった楽器をコレクションにしてそーっと奥にしまっておくタチではないので、ぜひ弾いてくれる方にお譲りしたい。
それとは別に御茶の水のアキオ楽器の店主と交流する中で店主が製作に携わったブランドの逸品が気になっていた。
現行品ではなく仕様が変更される前のモデル。
もちろん新品ではないから中古で検索。
もう数年探していた。
もしそれを手に入れたらアキオさんにメンテしてもらい新たな息吹を注入してもらおうと考えていた。
そこでやっと見つけたPupukeaの丸ラベル。
現行品は四角ラベル。
上:仕様変更前 下:現行品
Pupukea(ププケア)はギターで有名なフジゲンが製作しているウクレレブランド。
ちなみに"Pupukea"とはハワイ語で"白い貝"という意味。
廉価でクオリティが高いと評判。
とはいえ仕様変更前の個体は実物を一度も見たことすらない。
アキオさん曰く現行品とはちょっと音が違うのだそうだ。
元々マホガニー単板のものしかないと思っていたのだが、DELAXEとしてハワイアンコア単板のシリーズがあることを知り。
そのコンサートサイズはほぼ出回らない。
それがここにきてぺいやんサイバー警察が摘発に成功した。
もちろんマホガニーモデルよりは高価になるが、
「金額で迷うなら買え」
の家訓に従い(そんなものはない)ポチッと。
"逃すと後悔する"は経験済み。
そして届いた。
杢目が美しすぎる。
ストレートペグで調整がしづらい。
固いしちょうどいいところに合うのに時間がかかる。
折り込み済みではあったが予想以上の固さ。
これは早速GOTOHのUPTに替えよう。
肝心の音はコアらしいコロコロ系。
マーチンの方がサスティーンは長い。
マーチンと比較しても音にやや丸みもある。
こちらはコアの軽快さもありながらマーチンより音に深みと力強さがある。
バックから身体に振動がよく伝わる。
弦に関しては一度ワースBMに替えて再レビューしたい。
これまた重要な部分、ネック。
実物を直接触って手に入れたわけではないのでイチカバチカ感はあった。
これは大当たり。
形状とネック裏の滑り具合も理想的。
握りやすい。
しっくりきているレイラニに極めて近い。
よかった。
ペグと弦を替えてもう一段階進化させよう。
以前レイラニについてその雰囲気を往年の名女優と勝手に評したが具体的にどんな人?とイメージするとなかなか思いつかなかった。
ヘップバーン?吉永小百合?
うーん。。。
しかしこのププケアを弾いてみて2台ともイメージがピタッとはまった。
ジブリの中で最も好きな映画「紅の豚」。
そこに登場する女性。
もはや女優でも実在する人物でもないが。
レイラニはマダム・ジーナ。
懐が深く艶がありまた少々憂いもある魅力的な大人の女性。
まさにレイラニのルックスと奏でる音のイメージにフィットするのだ。
そしてププケアは同じく劇中に登場するフィオ。
明るく快活なまだ若き女子だが思い込んだら一直線の芯の強さがある。
この芯の強さが奏でる音に合っている。
またカーリー(杢目)が彼女の元気の良さに重ねて見えてしまう。
というのは自分の勝手な妄想。
そんな妄想の中でこれらを弾いてるのもまた楽し。
ちょっと弾きこんでみよう。
また新たな発見があるかもしれない。