ついに来た。


村治佳織×村治奏一 ギターDUOコンサート


とにかく演目も素晴らしい。


姉さんの方はメディアへの露出も多いのでクラシックギターファンじゃなくても割と認知されているのではと思う。


奏一くんも実績十分で数々のコンクールで優勝経験あり。



奥様は別のライブに参戦のためソロ活。


今日はあまりにも暑いので妥協しLRTで駅まで。


そこから徒歩で総合文化センターまで向かうが結局汗が止まらない。


ロビーでしばし休憩した後、ホールに入り着席。


何しろ最前列のど真ん中だからな。




客層はほぼ中高年。


熟年夫婦多数。


この聴衆の中で実際にクラシックギターを弾く人はどれくらいいるのだろうか?


開演。


姉さん、画面越しや動画では何度も拝見しているが実物はさらに見目麗しゅう。


セットリストから印象深いものを抜粋して。


前半デュオ:

アルハンブラの思い出

何度も聴いている曲だがデュオは初めて。

当然のことながら音に厚みが出て新鮮に感じる。

2人のトレモロが美しい。

「ニューシネマパラダイス」から<愛のテーマ>

これも有名。

いまだ映画を観たことがないのだが勝手に情景が思い浮かんでしまう。

イントロから鳥肌が立ってしまった。

※演奏動画追記



奏一ソロ:

荒城の月によるディファレンシアス

瀧廉太郎作曲の荒城の月をアレンジ。

JAZZっぽい感じで新感覚。

ノクターン Op.9-2

ショパンのノクターンといえばこれが馴染み深い。

ゆったりしている曲は特に表現力がものをいうがさすがプロ。


20分休憩。


佳織ソロ:

「ハウルの動く城」より<人生のメリーゴーランド>

すぐに映画のシーンが思い浮かぶ。

特に姉さんは情感たっぷりに目をつぶって奏でるスタイルなのでその姿を見ているだけでも惹き込まれてしまう。

サンバースト

アンドリュー・ヨークと言えばこの曲。

アップテンポでかなりテクニカル。

この激しい指使いを目の前で見られたのは至極の喜び。


後半デュオ:

リベルタンゴ

先日のウクレレフェスで鈴木智貴氏がウクレレ1本でこの曲を弾いたのにも感銘を受けたが、ギター2本のパワーはこれまたすごい。

"情熱"が増幅して押し寄せてくる。



アンコールは2曲。


映画「ディアハンター」よりカヴァティーナ


そして「禁じられた遊び」より愛のロマンス


特に愛のロマンスは瞬きもせずじっくりと運指を凝視。


なんだろう?自分が弾いてるのとはまるで違う。

(比較なんかするな!失礼な!)


閉幕。



興味深かったのは姉弟で音の表現が異なっていたこと。


もちろん姉弟と言えど別のプレイヤーなのでそれぞれの個性があるのは当たり前。


単純に分けると佳織さんは繊細、奏一くんはダイナミック。


ギター自体の音もそれぞれ個性があって面白い。


また佳織さんは足台を使って両足を開き背中を伸ばし弾くスタイル。(←カッコいい!)


奏一くんはギターレストを使ってギターを包むように抱きかかえるようなスタイル。


さすがに姉弟で小さい頃から一緒にやってきただけあって呼吸もピッタリ。


2人ともしなやかな指や手の形状がそっくりだった。



帰り際たまたまどこかの夫婦が話しているのが耳に入ってきて、旦那さんはあまりギターに興味がなかったようだったが(奥さんに連れてこられた?)終わった頃には姉さんのトリコになったようだった。


いつも言っているが生音はいい。


今回はしかも最前列で音""を十分に感じられたのがよかった。


音の粒子が細胞に沁みわたるかのよう。


ナイロン弦の繊細で柔らかい響き。


また機会があったらぜひ。