同じものを違う重さで見ている | 毒を喰らう占い師・紅弦Worldへようこそ

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「選択の前には天秤があるのではないか」と書いた。
何かを選ぶとき、私たちは無意識のうちに、
いろいろなものを天秤に載せている。

時間。
お金。
仕事。
人の気持ち。
安全。
結果。
楽しさ。
好奇心。
未来の自分。

どちらかに天秤が傾いたところで、
私たちは行動する。

となると、ひとつ疑問が出てくる。
なぜ、人によって天秤の重さが違うんだ。


たとえばね、大根を一本買う。
スーパーに並んでいる大根を前に、人によって選ぶものが違う。
「できるだけ安いもの」を選ぶ人もいる。
「新鮮なもの」を選ぶ人もいる。
「地元産がいい」という人もいる。
「今日の料理にちょうどいい大きさ」を選ぶ人もいる。
「なんとなく、これがおいしそう」で決める人もいる。

同じ大根を見ているのに、選択基準が違う。
それは天秤に載せているものが違うから。
そして載せているものが同じであったとしても、
その重さが違う。

「100円安い」ということを、とても重くする人もいる。
一方で、
「100円くらいなら、鮮度のいいほうがいい」
という人もいる。

つまり、私たちは同じものを見ても、
同じ重さでは受け取っていない。


じゃぁ、その重さはどこから来るのか?
これまでの経験と大きく関係しているかもしれん。

お金に苦労した経験がある人は、
「損をしないこと」に重きをおくかもしれない。

誰かに裏切られた経験がある人は、
「安全」や「信頼」に重きをおくかもしれない。

失敗して大きな痛手を負った人は、
「失敗しないこと」に重きをおくかもしれない。

反対に、失敗しても意外と何とかなった経験をした人は、
「まずやってみること」に重きをおくかもしれない。

同じ出来事でも、その後の人生で天秤に載せられる重さは変わっていく。

つまり、天秤には、これまで経験してきたことが
少しずつ載っていくんだと思う。


ただ、経験したことが、
そのまま重さになるわけでもない。
同じ経験をした二人が、
まったく違うものを重くすることがある。

失敗したから「もう二度とやらない」
と思う人もいれば、

失敗したから「次はうまくやりたい」
と思う人もいる。

つまり、天秤に載る重さは、
経験そのものだけでは決まらない。
その経験を、自分がどう受け取ったか?
それによって、同じものでも重さが変わる。

ある出来事を経験したことで、
「安全」がずっしり重くなる人もいる。
同じ出来事を経験して、
「好奇心」が重くなる人もいる。

だから、私たちの天秤には、
過去そのものだけではなく、
過去から受け取ったものも載っている。たぶん。


そして天秤は一度できたからといって、そのままではない。
時間が経てば、載せるものも重さも変わる。

若いころは「お金」が重かったのに、
ある時期から「時間」のほうが重くなることがある。

以前は「人からどう思われるか」がずっしり重かったのに、
ある時から「自分が納得できるか」のほうが重くなることもある。

「失敗したくない」が重かった人が、
「失敗してもいいからやってみたい」
と思うようになることもある。

そうやって生きているうちに、
天秤には新しいものが載り、古いものが少し軽くなる。
昔の自分なら絶対に選ばなかったことを、
今の自分は選ぶことがある。

それは考え方が変わったというより、
天秤の重さが変わった。ということなのかもしれない。


そしてさらに疑問が湧く。
私たちが天秤に載せているものは、
全て自分自身で選んだものなのか?

そしてその重さはいったい
いつから自分の天秤に載っていたのか?

親が載せたものかもしれない。
学校で載せられたものかもしれない。
社会の中で、いつの間にか載っていたかもしれない。
あるいは過去の自分が、自分を守るために
載せたかもしれない。

気づかないうちに載せたものは、
長いあいだ載せっぱなしになっていることもある。


だから、ときどき天秤を眺めてみる必要がある。
「私は何を載せているんだろう」
「これはいつからこんなに重くなったんだ」
「この重さは今の私にも必要なんかな」
そんなふうに。

天秤に載っているものを一つずつ見ていく。
すると、自分がどうして迷うのかも少し見えてくる。

たとえば、
「相手の気持ちも大事」
「でも自分の納得も大事」
「結果も出したい」
「でも無理はしたくない」
「安全でいたい」
「でも新しいこともやってみたい」
となれば、天秤がなかなか傾かないのは当然だ。
載せているものが多く、それぞれが重いのだから。
我ながら欲張りだな。


私は、人の気持ちは気になる。
誰かが嫌な思いをしていないか。
どう感じているか。
傷ついていないか。
もちろん天秤には載せる。
だがしかし!人の気持ちは一瞬で変わる。

今は喜んでいても、明日は怒っているかもしれない。
今は納得していても、後から考えが変わるかもしれない。
だから私の場合、「人の気持ち」は載せるけれど、
それほど重くはしない。

一方で、
「自分が何を選択したのか」
「その結果をどう引き受けるのか」
というものは、かなり重い。

それもまた、これまで生きてきた中で、
少しずつ決まってきた重さなのだと思う。


そして、先日鹿島神宮の御船祭へ行ったことで、
自分の天秤に載っている、
もう一つの重いものに気づいた。

それは、

「行きたい」

だった。

行かない理由側の天秤には色々載っていたけど
「12年に一度!」
「実際に見てみたい」
「行きたかったのにな〜って思い続けたくない」
最後には、そちらが重くなった。

帰ってきてこうやって思考を巡らせてみて
たぶんそこで初めて、
自分が何が重い人間なのかを、
客観的に少しだけ見たんだと思う。

実体験や探求心。
そういうものが、私の天秤では重い。

自分のことがわかると、
他人の天秤や選択が興味深く見えてくる。



紅弦9月10月の予定

【鑑定所】

9月20日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』

9月27日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』

10月4日(日)芋掘りすんぞ🍠

10月10日(日)静岡PARCO「占いのアリーナ」

10月18日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』

10月25日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』



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