ⅩⅦ SILENCE 沈黙
沈黙は恐怖だ。
何かを避けるために、何かを誤魔化すために
口を開くことがある。
怒られた時の沈黙の恐怖。
「黙ってないでウンとかスンとかいいなさいッ

「・・・ごめんなさい」
「謝って済むもんじゃないんだよ

「・・・もうしません」
「もうしませんで済めば警察いらないよ

黙っていても怒られる・・・
謝れば怒られる・・・
何を言っても怒られる・・・
小さな私、沈黙=恐怖の原体験。
ウン!スン!( ̄ー ̄)満足かね?
警察?済まないなら呼べよ早く。
・・・今なら言えるんだがなぁ。
若い母も当時はどうにもならなかったのだろう。
忌まわしい記憶だ。
でもお母さん、あなたのおかげで
私はこんなにも口達者になったよ。
今となっては、あれは素晴らしい英才教育だった。
あれがなければこんな風に育たなかったわ。
同じ日に3回も引いてしまった沈黙。
まったく、しつこいわ( ̄ー ̄)
沈黙も度を超せばうるさくなる。
「静かにしてくださいッ!」
「静かにしてくださいッ!!」
叫ぶ奴が1番うるさい、という皮肉。
そんな世界を私は愛してやまない。