実は子どもの頃、
絵を描くのが好きだった。
教科書もノートも、絵だらけだった。
描かなくなった理由は
「他にもっと上手な人がいるから」だった。
「●●ちゃんの方がうまい」
「もっとこうした方がいいんじゃない?」
「ちょっと違うよね」
あー、これじゃダメなんだ。
私は少しでも気に入らないと
紙を丸めて捨てるようになった。
描きたいから描く という純粋な欲求は、
気がつくと「目に見えない誰かの評価」に支配されていた。
そこに私はいなかった。
私は自らの手で自分に蓋をし、
絵を描くのが好きだったことさえ、思い出さなくなった。
この評価の支配は多岐にわたり
私の自由を制限した。
「評価されないものはやるべきではない」
何に対してもそう思うようになっていた。
人に対しても、それを押し付けた。
つづく