模写② | 紅弦Worldへようこそ

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実は子どもの頃、






絵を描くのが好きだった。






教科書もノートも、絵だらけだった。






描かなくなった理由は






「他にもっと上手な人がいるから」だった。










「●●ちゃんの方がうまい」






「もっとこうした方がいいんじゃない?」






「ちょっと違うよね」




あー、これじゃダメなんだ。








私は少しでも気に入らないと




紙を丸めて捨てるようになった。








描きたいから描く という純粋な欲求は、






気がつくと「目に見えない誰かの評価」に支配されていた。






そこに私はいなかった。






私は自らの手で自分に蓋をし、






絵を描くのが好きだったことさえ、思い出さなくなった。








この評価の支配は多岐にわたり






私の自由を制限した。








「評価されないものはやるべきではない」






何に対してもそう思うようになっていた。






人に対しても、それを押し付けた。






つづく