父が唯一残した遺産が
貨幣プルーフセットである。
666円が よそ行きの箱に
きれいに入って
まるで本のようになっている。
父は自分の趣味の為にこの趣味を売り
たいした量は残っていなきものの
山のようにあったコイン達の
懐かしい記憶がよみがえる。
父のコインアルバムから
昭和35年の50円玉(だったかな) を 盗んだ事があった。
穴が開いてなくて、字体もかわいらしくて個性的で
ポケットに入れて・・・なくさないように
毎日とても大切にしていた。
とある日、事件は起きた。
トイレで用を足した後、ズボンをあげたその時!
ポチャン・・・
当時は北海道の片田舎、ボットン便所で
幼かった私には
どうする事もできなかった。
泣くこともできなかったのを思い出す。
実は今でもあるパターンとして、
「大切にしているものは、私から離れていく」
というのがある。
大切にしていただけに
記憶にはしっかり、
豊かささえ感じるほど、残ってしまうのだが・・・
皮肉なもんだ。
さて、貨幣セットはどうするかな~。